【東京】1回戦 日体大荏原VS都立鷺宮
日体大荏原が5回コールド勝ちも、勝者、敗者どちらも反省が残る一戦に
<秋季東京都高校野球1次予選:日体大荏原11ー1都立鷺宮(5回コールド)>◇10日◇1回戦◇日体大荏原多摩川グラウンド
日体大荏原vs都立鷺宮の一戦は、日体大荏原の5回コールド勝ちに終わった。この事実だけみると、日体大荏原が強いと感じてしまうが、都立鷺宮の先発・小笠原 蓮投手(1年)は11失点のうち、自責点が2と、とにかくエラーが絡んだ。
日体大荏原にすれば、ミスに助けられて得点できた部分があり、都立鷺宮の小笠原は110キロ後半の直球と突出して速くはないが、内外角の投げ分けができていて、変化球は手元で変化し、精度も悪くない。日体大荏原の選手が、腰の引ける打撃になっていた。
しかし、都立鷺宮はエラーが絡んでしまい、とにかく失点を重ねた。取れるアウトが取れない。また、日体大荏原はそこを見逃さず、セーフティーバントで揺さぶりをかけていた。日体大荏原の本橋監督は「今年はバントが上手い選手が多いのと、やはりその作戦も必要」と語るように、要所で小技を仕掛けられる。
それでも痛烈な打球を飛ばしていたのはエースで4番の吉田 健汰投手(2年)。適時二塁打はもちろん、ファウルでも鋭い打球を飛ばしていた。本橋監督によると、夏場の練習試合でも、他の選手が打てない時でも、結果を残すのが、吉田だという。
投げては制球に苦しみ、押し出しによる1失点はあったが、「苦しかったんですが、要所で抑えることはできたと思います」と、最速134キロの直球、スライダー、ナックルカーブを駆使して、5回の3者連続三振含む、5奪三振の力投を見せた。
本橋監督は、エースの吉田はしっかりしているが、打撃内容に反省があったと語るが、ゴロでも打球は速く、能力は悪くない。今後が楽しみなチームだ。
都立鷺宮のエース・小笠原は、三振を取るタイプではなく、球を動かし、打たせて取る守備力に依存する投球スタイルだけに、やはり守れないと試合にならない。この試合で、強豪校の打球、スピードを実感したはず。それに耐えられる精神力、技術をこの冬に身に付けられるかが、来年春、夏で躍進するための課題になる。
取材=河嶋 宗一