【鹿児島】2回戦 鶴丸 vs 鹿児島商
鶴丸が仲間信じて1球1打に集中<鹿児島秋季大会>
<第153回九州地区高校野球大会鹿児島県予選:鶴丸12-8鹿児島商>◇30日◇2回戦◇平和リース
鶴丸は初回、2死一、二塁から5番・加塩 大和(2年)の中前適時打で先制。押し出し、8番・岩﨑 新太(2年)の右前適時打、暴投で4点を先取した。
その裏、鹿児島商も押し出し、内野ゴロで2点を返す。
3回、鶴丸は徹底したバント戦術で走者を進め、7番・毛利 翼の右前適時打、1番・向原 伸之介(1年)の二塁打で3点を追加した。
鹿児島商は5回、5番・上野 衛門(2年)の右前2点適時打で3点差とし、更に2二死満塁から9番・郷田 翔(2年)が走者一掃の左越え二塁打を放って試合を振り出しに戻した。
鶴丸は8回、1死一、二塁で3番・中村 仁(2年)の左前適時打で勝ち越し、6番・寺内 幸大主将(2年)の右前適時打、7番・毛利の走者一掃中越え三塁打で計5点を勝ち越した。
6回以降は小刻みな継投で鹿児島商打線の反撃を1点で食い止め、2時間55分の死闘を制した。
鶴丸は強豪・鹿児島商との長丁場の死闘をものにした。我慢の展開だったが「仲間を信じ、1球1打に集中して努力してきたことが実って良かった」と寺内主将は振り返った。
ターニングポイントは7回の守り。2死二塁で右前安打を浴びたが、右翼手・向原の好返球で得点を許さなかった。送球はやや三塁方向に逸れたが、捕手・寺内が身体を投げ出して死守。「外野からの返球は一番力を入れて練習してきた」会心の好守だった。
良い守備は良い攻撃の流れを作る。直後の8回、1死一、二塁と久々に好機を作り、3番・中村が3ボール1ストライクのところで雨で約10分の中断。集中の維持が勝敗を分ける場面で、直球勝負の狙いと逆の変化球で追い込まれたが、狙いを変化球に切り替えて、より低めの変化球に上手く対応して勝ち越し打を放った。「試合中は笑顔をずっと意識したので、気持ちに少し余裕がありました」と胸を張る。「つなぐ意識」で寺内も右前適時打で続き、毛利の走者一掃三塁打が勝機を大きく手繰り寄せた。
初戦の種子島中央戦は5安打と振るわなかったが、この試合までにマシンの球速を上げ、バットを短く持って振り抜く打撃を意識した。5番・加塩が3安打1打点、6番・寺内が2安打1打点、7番・毛利は3安打5打点、8番・岩﨑は1安打1打点と打線の組み替えも功を奏し、福田 健吾監督は「よく打ってくれた」と打線の粘りを最大の勝因に挙げていた。