与勝vs豊見城南
中部地区高校野球大会で優勝した与勝がコールド発進
<第105回全国高校野球選手権沖縄大会:与勝9ー2豊見城南(8回コールド)>◇24日◇1回戦◇コザしんきんスタジアム
与勝が万全の野球で快勝。中押しこそ遅かったが先制、ダメ押しと中部地区高校野球大会でやってきた与勝野球を見せ、好投手・豊見城南の山城 大来投手を攻略。8回コールド勝ちで2回戦へとコマを進めた。
下位打線に長打が生まれ好スタート
初回、与勝は四死球と暴投で1死二、三塁のチャンスをつかむも、豊見城南の山城が後続を遊ゴロと三振に斬り、得点することができない。しかし2回、6番・仲村 春佑が右翼を襲う三塁打で出塁。8番・伊芸 成道がスクイズを決めて先制した。さらに9番・仲宗根 寛斗が、逆らわず左翼へ二塁打。これ以上点を与えると厳しい豊見城南の山城は厳しいコースをつくも、与勝の1番・仲新門 大惺と2番・浦崎 直永がきちんと見極めて連続四球。その前後に暴投が2つ出て、与勝が3点を奪った。
豊見城南の反撃を最小限で交わし終盤決着
追う豊見城南は5回、9番・仲座 充郎が二塁打で出塁すると、2番・新田 優心がスクイズを決めて1点を返す。さらに豊見城南は6回、2つのエラーで1死二、三塁と絶好のチャンスをつかむ。しかし与勝先発のエース仲松 帝投手が、三振、遊ゴロに斬り追加点をやらないのが大きかった。
6回を終えて95球を投げていた豊見城南の山城にも、夏の暑さからの疲れが見え始めた終盤に与勝打線がここぞとばかり捉え始める。
7回、エラーと四球で走者をためると4番・知念 竜之介が右翼へ運び満塁とプレッシャーをかける。ここで5番・亀谷 翔成が、試合を決する大きな中越え2点適時二塁打。8回には完全に疲れていた山城の3つの四球や2つの暴投などで3点を加えコールドゲーム。
7安打ながらも4つの長打と、9つの四死球を選んだ与勝が快勝し2回戦へ進出した。
敗れた豊見城南は部員は7人。レンタルした沖縄水産の3選手も、気迫あふれるプレーで豊見城南ナインを鼓舞した。10人ながら勝利への執念を感じさせるプレーは拍手ものであった。那覇・南部地区交流大会であの沖縄尚学打線を僅か1点に抑えたという山城も、随所に光るピッチングを見せたが、夏特有の暑さの中で100球を越えては体力も気力もついてこないのが現状。素材の良さは周囲が認めており、次のステージが楽しみだ。
(文=當山 雅通)