試合レポート

立教新座vs県立浦和

2023.04.27

立教新座が終始県立浦和を圧倒し、夏のシード獲得!!

立教新座vs県立浦和 | 高校野球ドットコム
並木 煌介(立教新座)

<春季高校野球埼玉大会:立教新座13-4県立浦和>◇25日◇2回戦◇熊谷さくら運動公園

 [stadium]熊谷公園球場[/stadium]の第1試合は、スタメンの半数が2年生という若い立教新座対57年ぶりの夏シードを目指す県立浦和との一戦である。

 まずスタメンだが、立教新座は昨秋4番の長谷川 健太(3年)が1番に入り、秋1番の小板橋 望和(2年)が2番に入る。秋2番の晝間 丈陽(2年)が5番に入り、4番には村岡 伸之佑(2年)が入る。一方の県立浦和も昨秋からメンバーは大幅に変わっている。昨秋3番の亀井 真拓(3年)が1番に入り、3番には塚田 脩世(3年)が入る。秋7番の関根 彰太(3年)が5番に入り、7番には和田 勇誠(3年)が、8番には佐藤 大紀(3年)が入る。

 先発は県立浦和がエース荒川 拓磨(3年)、一方の立教新座は2年生の野川 拓真が先発し試合が始まる。

 先制したのは立教新座であった。

 初回、立教新座は浦和・荒川の立ち上がりを攻めたて、先頭の長谷川が左越えの二塁打を放ち出塁すると、続く小板橋の内野安打と捕手の一塁悪送球でまず1点、一走・小板橋は3番・住井 力(3年)のところですぐさま二盗を決めると、住井も四球を選び無死一、二塁とする。4番・村岡はきっちりと送り1死二、三塁とチャンスを広げると、2死後6番・東 亮磨(3年)も四球を選び2死満塁とする。ここで続く戸張 健介(2年)が中前へ2点適時打を放つなど立教新座が初回から3点を奪う。

 一方の県立浦和もその裏すぐに反撃を開始する。立教新座・野川の立ち上がりを攻め、2死から3番・塚田が左翼席へソロ本塁打を放つ。さらに続く菅原が四球を選ぶと、相手の捕逸で二塁へと進む。ここで続く関根が左前適時打を放ちすぐに1点差とする。

 だが、立教新座は2回にも、この回先頭の野川が中前安打を放ち出塁すると、1死後、2番・小板橋が右越えの二塁打を放ち1死二、三塁とする。さらに続く住井も死球で出塁し1死満塁とチャンスを広げると、ここで4番・村岡が左前適時打を放ちまず2点、続く晝間も左前適時打を放ち6対2、2死後、県立浦和ベンチは荒川から右サイドの吉田 典悟(3年)へスイッチする。

 立教新座県立浦和・吉田典の代わり端を攻め、戸張が死球で出塁し2死満塁とすると、続く長濱 大翔(3年)が右前適時打を放つ。さらに続く野川の三ゴロが相手エラーを呼び8点目、1番・長谷川も押し出し四球を選ぶなど、この回一挙6点を奪うビッグイニングとする。

 試合の流れを完全につかんだ立教新座は、3回にも1死から4番・村岡が右翼線へ二塁打を放ち出塁すると、5番・晝間、6番・東が連続四球を選び1死満塁。続く戸張がきっちりと犠飛を放ち10対2と、コールドペースへと持ち込む。

 それでも粘る県立浦和は5回、この回先頭の佐藤が四球を選び出塁すると、すぐさま二盗を決める。続く吉田典も四球を選び無死一、二塁とする。1死後2番・井原 佑輔(2年)が右翼線へ適時二塁打を放つと、続く塚田の内野ゴロでさらに1点を追加し2点を返す。

 その後は県立浦和・吉田典の粘りの投球で無失点で切り抜けると、立教新座も6回からマウンドに上がったエース左腕・並木 煌介(3年)が安定した投球を披露し県立浦和打線を無失点に抑え10対4のまま最終回へと進む。

 立教新座はこの回からマウンドに上がった3番手左腕・志賀 俊一(3年)の代わり端を攻め立て、この回先頭の村岡が四球で出塁すると、続く晝間も四球を選び無死一、二塁とする。1死後、7番・戸張が左前安打を放ち1死満塁とすると、続く長濱の押し出し四球と暴投でまず2点、代わった4番手・菅原からも押し出し四球を選ぶなどこの回3点13対4とし、立教新座がダメを押した。

 結局、立教新座がそのまま13対4と県立浦和に圧勝し夏のシードを獲得した。

 まずは、県立浦和だが、57年ぶりの夏シードがかかったこの試合であったが、序盤から相手にペースを握られ無念の敗戦。それだけに藁谷監督も試合後、悔しさを滲ませていたが、それでも簡単には諦めない粘りの姿勢は夏への財産となるであろう。今年のチームは打力や機動力があり、投手陣では昨秋主戦で投げていた2年生左腕・達富 絢や最後に登板した捕手の菅原にも球に力がある。あとは夏までに守備力向上を目指したいところか。

 一方の立教新座は昨年11月に冨部監督から池田監督へ交代となり、公式戦は今大会が初采配。

「終盤の走塁ミスの部分はさすがに言いました。センターラインに2年生が多いので弱い部分もある。そこは3年生のつもりで日々接している。春の関東を狙って投手の無駄球を減らし、走塁を詰めていきたい」(池田監督)

 投手陣は立教新座としては珍しく、左腕エースの並木に、この日登板した野川など枚数は揃いつつあり、打線この日も13安打と、旧チームと遜色ないチームになりつつある。特に4番遊撃手の村岡は2年生ながら華麗なフットワークを見せていた。

 「ショートを昨秋の大会後にやるようになって、最近、基礎練習を増やして今日は集中してできた。(コーチの)鈴木 康友さんに教わった左足を前に出して捕ることを意識している。バッティングに関して、打順は4番ですが繋ぐことと出塁することを意識している」(村岡)という。あとは体を大きくすることと夏までに登板も期待されている投手としての部分を伸ばしたいところか。いずれにせよ今後とも注目していきたい。

(取材=南 英博

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