山村国際vs盈進東野
山村国際が東野を圧倒し県大会出場!
山村国際・前原 智希
＜秋季埼玉高校野球大会西部地区予選：山村国際7－1東野＞◇9日◇代表決定戦◇飯能市民
小雨混じりの[stadium]飯能市民球場[/stadium]の西部地区代表決定戦第1試合は、地区初戦で難敵・坂戸を延長の末サヨナラで下した山村国際と、同じく初戦で坂戸西を破るなどスタメンに1年生が7人と勢いのある盈進東野との一戦である。
先発は山村国際・前原 智希投手（2年）、盈進東野・武山 侑夢投手（1年）と両エースが登板する。山村国際・前原は力投型の右腕で、盈進東野・武山はオーソドックスな右腕。1年夏も登板するなど、共に経験豊富な両投手が登板し試合が始まる。
先制したのは、山村国際であった。
初回、盈進東野・武山の立ち上がりを攻め立て、先頭の板倉 虎太朗（2年）が四球を選び出塁すると、すぐに二盗を決める。続く森田 青葉（1年）の打球が内野安打となり無死一、三塁とする。さらに一走・森田が二盗を試みると、これが相手の悪送球を誘い、まず1点、さらに3番・鈴木 蒼生（2年）が左前適時打を放つなど、山村国際が幸先良く2点を先制する。
山村国際は3回表にも、この回先頭の板倉が二塁強襲ヒットを放ち出塁すると、続く森田のバントが内野安打となり無死一、二塁とする。2死後、5番・前原が右前適時打を放つと、一走・森田は三塁へ、本塁返球が乱れる間に打者走者・前原も二塁へと進み2死二、三塁とする。ここで続く小池 康平（2年）が右前2点適時打を放つなど、一気に5点差をつける。
一方、盈進東野の反撃は5回裏であった。
1死から7番・岡野 琉之介（1年）が右前安打を放ち出塁すると、続く中館 海音（2年）も右前安打を放ち1死一、二塁とする。2死後、1番・石谷 優大（1年）が中前適時打を放ち1点を返す。
だが、山村国際は6回表、この回先頭の小池が左翼線へ二塁打を放ち出塁すると、続く榎本 樹人（2年）のセーフティーバントが内野安打となり無死一、三塁とする。さらに一走・榎本がすぐさま二盗を決め、無死二、三塁とすると、1死後9番・崎 晴登（1年）も四球を選び1死満塁とチャンスを広げる。ここで1番・板倉が左前2点適時打を放ち7対1とし試合の大勢は決した。
投げては、エース前原が9回途中、被安打3、11奪三振、1失点の好投を披露すると、最後は右スリークウォーターの桒田 悠翔（1年）が無失点で切り抜ける。
盈進東野の鞠子監督は、
「就任当時、部員が1人しかおらず、このままだと部がなくなる」
ということで、監督自らシニアの関係者方々に頭を下げ、1人ずつ選手を集めていった。そんな期待の選手達だが、この日は序盤雨の中ややバタついた。この辺りは経験あるとはいえ1年生といったところか。ただ、打線は3安打に終わったが、1巡目から鋭い打球を飛ばすなどポジティブな印象を受けた。一冬を越すとエース武山の球速も含め、打線も体も出来上がりトータルで1ランク上がる可能性を秘めている。
一方の山村国際は、序盤から機動力や小技を絡め、一気に試合の流れを引き寄せたのは見事であった。だが、その後、雨が止み相手が落ち着きを取り戻したこともありコールドまでは持ち込めなかった。その点を大坂監督も懸念材料に挙げ、
「序盤でもっと引き寄せたかったんですが。もうちょっと自分達のスイングができたんじゃないかな。4番、8番あたりで。全体的にもうちょっとできるはず。あとは2番手、3番手が出てきてくれれば」
と、渋い顔。4番・鈴木 大翔（2年）と8番・西野 康生（2年）に奮起を促した。
（取材＝南 英博）
