花咲徳栄vs滑川総合
滑川総合2ランで先制、花咲徳栄に食い下がったがあと一歩及ばず
トーナメント表
・埼玉大会の勝ち上がり
関連記事
・強豪ひしめく夏の埼玉大会を徹底展望!
・今年の埼玉は140キロ超えのプロ注目右腕、プロ注目スラッガーなどが多い!
日程・結果一覧
・埼玉TOPページ
・第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧
気になる学校への応援メッセージはこちら
・学校検索ページ
大会の詳細・応援メッセージ
・第104回 全国高等学校野球選手権 埼玉大会
選手名鑑情報はこちら
・選手名鑑一覧ページ
<第104回全国高校野球選手権埼玉大会:花咲徳栄8-5滑川総合>◇18日◇4回戦◇レジデンシャルst大宮
ここ10年ほど、埼玉県の高校野球の勢力越図は花咲徳栄と浦和学院の2強状態が続いている。全国レベルでも2017年夏に花咲徳栄が全国制覇、浦和学院も2013年春のセンバツで全国制覇し、今春のセンバツでもベスト4に進出している。埼玉県で頑張っている多くの学校はこの両校を倒すことを一つの目標としている。というよりも、現実問題として、その壁を破らない限り甲子園出場はつかみ取れない。
かつて、1998年の記念大会に、当時の校名は滑川だったが記念大会に甲子園出場を果たしている滑川総合も、その2強の壁に挑んでいこうという思いは強い。その壁を突破するために、奇策も含めて、いろいろなことを考えながら挑んでいくということになる。
滑川総合の戸川智文監督は、「まともに行っては、一方的にやられてしまうかもしれない」と、敢えて、先発投手にどちらかというと軟投型の投手を起用した。それが、背番号19の須長の先発ということになった。もっとも、長いイニングは厳しいだろうから、一回りくらいで、細かく繋いでいこうということを考えていたという。
その滑川総合だが、先攻の初回に2死走者なしから篠澤が左前打すると、続く4番木村がアウトコースの直球を強振してその打球は右翼席に入る2ランとなった。これで、滑川総合としては、試合の主導権を握る形に放った。先発の須長も、何とか一回りは抑えて、次へ繋げていきたいということであろうが、2回増田の安打と四球で無死一、二塁というところで、橋本にスイッチすることになった。
その橋本は、犠飛で1点は失うものの、以降は工夫をして相手打者のタイミングを外していく投法で何とかかわしていく。
しかし、さすがに花咲徳栄も5回、2本の犠飛で逆転する。そして、7回にも花咲徳栄は打者一巡の攻撃で、1番齊藤海君の適時打などで3点を追加する。追いかけたい滑川総合にとっても、さすがにこの3点は重かった。しかも、後半になって、花咲徳栄の金子も調子が上がってきていた。滑川総合はついぞ、攻略しきれなかった、
花咲徳栄の岩井隆監督は、「初回に、2点取られたりして少し慌てさせられたかもしれませんが、自分たちのやるべきことはやれているのではないかと思います。相手投手にタイミングを狂わされて苦しんだところもありましたが、それでも修正はしていかれたのではないかと思う」と、苦しみながらも、最終的には、自分たちの戦い方になっていったという評価だった。
先発して完投した金子に関しても、「今日は、当初から完投という予定だったけれども、立ち上がりは少し苦しんだかもしれないが、尻上がりに調子は上がっていった」と、苦しんだことも、今後へ向けては一つの好材料と捉えていた。金子自身も、「6回には、投げ急いだところもあったけれども、すぐに逆転してくれて、7回以降は調子を上げていかれた」と振り返っていた。
大善戦と言っていい滑川総合だったが、戸川智文監督は、「自分たちの力は、出し切ってくれたと思います。意気込み過ぎず、最後まで自分たちの野球はやれたと思います。ただ、6回に再度リードしながら勝ちきれないところ…。このあたりが壁なのかなとも思います」と、残念がった。
健闘した選手たちに対しては、「選手たちは、本当によくやってくれた」とエールを送っていた。結果的には、花咲徳栄の壁を突破することはできなかったけれども、滑川総合は確実にチームとしての成長は示していたと言っていい試合だった。戸川監督も、このチームの結成当時には、思わなかった成長を示した選手たちに対して、「ここまでのチームになっていかれるんだ」と、ねぎらいとともに、自身も感動していた様子だった。
(取材=手束 仁)