大宮工vs和光

＜第104回全国高校野球選手権埼玉大会：大宮工10−0和光＞◇9日◇1回戦◇[stadium]浦和市営[/stadium]

　[stadium]浦和市営球場[/stadium]の第1試合はセンバツ優勝経験のある古豪・大宮工対和光との一戦。

　先発は和光が設楽 蓮（2年）、一方の大宮工は山崎 竜駕（3年）と両左腕エースが先発し試合が始まる。

　試合は初回から大宮工打線が和光・設楽に襲いかかる。

　先頭の大澤 叶夢（3年）が四球を選び出塁すると、続く小林 隼人（3年）も四球を選び無死一、二塁とし、さらに暴投で無死二、三塁とチャンスが広がる。1死後、4番・甲田 拓海（3年）が左中間へ2点適時三塁打を放つなど、幸先良く2点を先制する。

　勢いに乗った大宮工は、2回裏も2死から9番・田中 恵太（2年）が左翼線へ二塁打を放ち出塁すると、続く大澤も死球で出塁し2死一、二塁とする。ここで2番・小林 隼が右中間へ2点適時三塁打を放ち4点差とする。

　これで流れをつかんだ大宮工は3回裏にも無死一塁から登板した2番手・根岸 維斗（2年）を攻め、1死後一走・甲田が二盗を決めると、6番・小林 俊人（3年）が中前適時打を放ちまず1点、さらにセンターがファンブルする間に二進すると、続く鍵山 大地（2年）も左前安打を放ち1死一、三塁とチャンスを広げる。ここで、8番・市川 大揮（3年）がスクイズを決め6対0とする。

　大宮工は5回裏にもこの回先頭の藺森 平次（2年）が左翼線への二塁打を放つとそれを足がかりとし、小林 俊、大澤、小林 隼の3長打に敵失も絡み一挙4点を奪い10点差をつけ勝負あった。

　投げては大宮工・山崎が和光打線を1安打無失点に抑える。結局、大宮工が5回コールドで和光を下し初戦を突破した。

　まずは大宮工だが、互いにライバル意識の高い小林ツインズを中心とし、長打8本を放つなど打線が活発で、この日は制球重視であったという左スリークウォーターのエース山崎も好調を維持しており、幸先の良いスタートを切った。次の相手は難敵・豊岡だが、古豪復活へ向け、この日のような試合運びをすることができるか。

　一方の和光は、昨秋、今春と人数が集まらず連合チームでの出場であり、現状では何とか夏の大会を単独チームで出場するのが一つの目標であった。2年生のキャプテンの根岸は自分の出身中学や知り合いのツテなどを使い、中学時代野球経験のある3年生2人を4ヶ月前に勧誘し、田村監督もインスタグラムなどを活用し、選手を勧誘。運動能力の優劣などで選り好みせず、週1回からでも、普段アルバイトなどをしている生徒でも、とにかく興味のある下級生を片っ端から勧誘した。幸い秋以降は9人残っているため、引き続き単独での出場が可能であるが人数がギリギリであるため予断は許さない。引き続き勧誘は必要になりそうだ。

（取材＝南 英博）