前原vs宮古
前原・金城
<第69回沖縄県高等学校野球春季大会:前原4-2宮古>◇9日◇順位決定戦◇[stadium]アグレスタジアム北谷[/stadium]
秋に比べると格段に良くなった投手陣
「この大会、上原望生(のあ)と金城陽(はる)に安定感があって試合を作れたのが大きな収穫」と前原の東亮監督。去年から試合に出続けて、他校の1つ上の世代と対峙してきた前原投手陣。その中でも上原と金城の急成長が夏に向けて何よりプラスとなった春であった。
前出場から四半世紀が過ぎた聖地甲子園への道
1回の裏、前原は今大会打撃好調の先頭比嘉健登が安打で出塁すると犠打で二塁へ。その後相手のエラーの間に1点を挙げた。比嘉健登はこのヒットで全5試合安打をマーク。「投手陣に比べると打線は沈み気味」と嘆いた東亮監督も驚きの打率.579を誇り、トップバッターとしての役割を十分果たした。出塁率の高い比嘉を何度となくホームへ還してきたのが不動の3番目取眞悠月で、2回2死一、二塁から見事な流し打ちで2点目をボードに刻んだ。
個人の力量では今大会トップクラスの力を持つ沖勇作を中心に勝ち上がってきた沖縄宮古も負けてはいない。3回、2死からエラーの走者を置いて4番沖勇作の打球は右翼席へ入る同点2ランホームランとなった。
だが前原は3回、先発上原望生の犠牲フライで突き放すと4回にも島袋優汰のレフトへの犠飛で沖縄宮古を突き放す。投げては上原望生、金城陽のリレーで4回以降をゼロに封じ勝利した。「投手陣の好調に打者が発奮してくれたら夏も十分戦える」加えて秋の準優勝に続き春の3位とすっかり強豪校の仲間入りをした前原。秋の自信が確信に変わる春になったナインの最終目標はもちろん、1996年以来となる夏の沖縄大会頂点だ。
(取材=當山 雅通)