近江vs聖光学院
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
近江・山田「仲間が打ち返すと信じ」、7分の力で87球省エネ完投
山田陽翔
<第94回選抜高校野球大会:近江7-2聖光学院>◇25日◇2回戦◇甲子園
「今日は70点くらいだと思います。立ち上がりに先制点を許して、初戦と同じことを繰り返してしまった。(監督から一人相撲するなと言われていて)仲間が打ち返すと信じているので、素直に受けとめることができました」
出場辞退の京都国際に代わり、繰り上げ出場となった近江(滋賀)が、エース・山田陽翔投手(3年)の好投で聖光学院(福島)を下し、センバツでは2003年以来、19年ぶり2回目の8強入りを果たした。山田は試合後、安堵の表情を浮かべて試合を振り返った。
初回は制球が定まらず3四死球を出すなど1点を失い、味方打線が5点を挙げて逆転した直後の3回にも追加点を許した。だがその後は少しずつ立ち直っていき、4、5回は3者凡退でリズムを作った。
「初回から低く低くとやっていたが、無駄な力が入っていたので8分の力を7分の力に変えた。何かを変えないとと思った」と語る山田。繊細な出力の調整が好投へと繋がり、9回を投げ切って87球と省エネ投球で勝ち切ることができた。
一方の聖光学院は序盤に逆転を許した後、少しでも点差を詰めていきたいところだったが、立ち直った山田を打ち崩すことができなかった。また先発したエースの佐山未來投手(3年)も我慢強くコーナーを突いていったが、僅かに外れて四球を出すシーンもあり粘り切れずに失点を喫した。
それでも聖光学院の斎藤智也監督は「佐山は丁寧すぎた。際どいところが四球になることが多く、四死球が序盤に多くなった。もう少しストライクゾーンでもバッターを抑えることができればとも思うが、それでも丁寧によく投げたと思います。そこは褒めながら試合は進めてました」とその成長には評価を与える。
今年は前チームに比べ、個々の力は劣ると言われ続けてきたチーム。主将の赤堀颯内野手(3年)を中心に、高い結束力でセンバツ出場をつかんだが、ここから夏までにどこまで成長した姿を見せることができるか注目だ。
(記事:栗崎 祐太朗)