試合レポート

都立立川vs都立青梅総合

2022.03.13

都立立川vs都立青梅総合 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

都立立川vs都立青梅総合 | 高校野球ドットコム1次予選のトーナメント表
日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
日本学園などが属する第13〜18ブロック
城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック

メジャーリーガーからヒント得たエースが快投 都立立川がコールドで代表決定戦へ

都立立川vs都立青梅総合 | 高校野球ドットコム
都立立川先発・横山天星

 4月からの都大会を目指し、都立立川都立青梅総合が対戦。試合は都立立川の強力打線が機能し、初回から4回まで毎回得点で都立青梅総合を14対6で下して代表決定戦へコマを進めた。

 都立立川の各打者は、詰まっても打球を運んでいく力強く振り切ったスイングをしていた。定時制の授業の兼ね合いで、90分間しか活動できないことを受けて、「一冬かけてパワーと打力を強化しよう」と割り切って、練習に着手してきたという。

 その成果が表れたのは初回、3番・木村 祥太郎捕手(3年)が無死一、二塁から右前適時打で先制点をもたらした。さらに4番・関 康太朗内野手(2年)も2回の無死一、三塁で左翼前へ。8対3で迎えた3回には1死二塁からもタイムリーを放った。

 3番・木村はどっしりとした構えで、軸をずれることなく力強いスイングが光り、4番・関は鋭く腰を回転させて、シャープなスイングで捉えていくチームの主軸打者だ。

 力のある打者がそれぞれ力を発揮し、4回までで14対3と試合を決め、14対6の7回コールドで試合を制したが、一際よかったのはエース・横山 天星投手(3年)だ。予め重心を下げた状態でセットポジションに入り、左腕でリードしながら体重移動。ギリギリまで開きを抑えて移動ができていることもあり、出どころを見にくくできた状態でスリークォーター気味の高さから右腕を振り抜く。

 外角中心にスライダーを織り交ぜたピッチングを組み立てるが、上半身の力が強いのか影響してか、球威はあるものの高めに抜けることが多く、試合を作るのに苦戦を強いられていた。

 ただ指先にかかった真っすぐは光るものがあり、特に3回の都立青梅総合6番・小林 剛輝外野手(3年)を見逃し三振に抑えた直球は、指先にかかっており、上から見ても良い球だった。


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日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
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城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック

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都立青梅総合5番・中野隼人

 「自分にとっても納得の真っすぐでした」と自己評価も高い真っすぐだったが、現在に至るまでは苦労を強いられた。投球フォーム、特に左足の上げ方が決められず、フォームが不安定となり、制球力に課題を抱えていた。

 そこで横山が参考にしたのがメジャーリーガーの前田 健太投手(PL学園出身)だった。左足を上げてからゆっくり重心移動をしていたことで、フォームに勢いがなく、思うような球が投げられなかった。また野口監督も「投げるまでに間があることで、迷いがあるように見えました」と話す。

 そこから前田を参考に、スムーズに左足を使って勢いを作りつつ、二塁方向に蹴ることで、軸足にタメも作るようにした。その結果、「自然に腕が振れるようになってきました」とフォームが改善され、直球の走りや伸びも向上してきたという。

 ブルペンには週2日で100球を投じるなど、フォームを固めてきたそうだが、野口監督はそんな横山の取り組みの成果について「年明けくらいからフォームが安定してきたので、直球が伸びて制球力も良くなった」と目で見て分かるほど成長してきたと振り返る。

 次の代表決定戦を制すれば、都大会への切符をつかむ。横山は、「自分のピッチングができるように心掛けたいです」とコメント。対して野口監督は「1番・藤井(蓮)を中心に打ち勝てるようにしたいです」と、打線で主導権を握っていきたい姿勢を見せた。横山を打線が援護できるか楽しみだ。

 対して中盤に粘りの攻撃を見せた都立青梅総合は、「粘り強さや声掛けなどはテーマにしてきたことなので、その成果が出たと思います」と主将の中野隼人内野手(3年)は収穫を語ると、「2番手以降の投手がポイントだと思います」と夏へ投手陣の整備を課題に挙げた。

 幸野監督も「5、6点は取れる打線なので、守備をしっかりさせたい」とコメント。中野主将同様に、いかに投手中心に守れるかが、都立青梅総合の夏躍進のポイントとなりそうだ。

(記事:田中 裕毅


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マウンドに集まる都立青梅総合ナイン
都立立川vs都立青梅総合 | 高校野球ドットコム
都立立川の得点シーン
都立立川vs都立青梅総合 | 高校野球ドットコム
都立立川バッテリー

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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