都立小平南vs芝浦工大高
初回の猛攻で一気に勝負を決めた小平南が芝工大附に快勝
小平南・村上大樹君
組み合わせの都合で、ブロック予選の代表決定戦が、新チームとしての公式戦最初の試合となってしまった芝浦工大高。この夏は、総勢13人という人数で戦いってきたのだが、この秋はほとんどギリギリの状態10人のみの登録という状況での大会参加だ。
それでも、古川誠監督は、意欲的に大会に挑んできていた。そして、選手たちも、その思いに応えて、積極的な姿勢で取り組んできていた。その成果を試す大会でもある。
対する小平南は、初戦で多摩大目黒を10対3とコールドゲームで下して「ある程度は行けるぞ」という思いもあって、自信の代表決定戦進出である。
その小平南が初回に、打者11人の猛攻で一気に勝負をつけたというような展開になった。
小平南は先頭の常谷君が中前打で出ると、続く村上大樹君、西田君のバントがことごとく三塁内野安打となり、たちまち無死満塁。4番藤田君が四球で押し出しとなり先制すると、続く大谷君、船木君が相次いで左前打して無死のまま4点が入る。
オーバーランなどがあって一死となったが、失策と9番村上巧樹君の中前打など、この回だけで打者11人の7安打1四球、2失策で7点を奪った。こうして試合は完全に小平南の流れとなった。
このリードで、小平南の先発松井君も余裕の投球となった。
それでも、芝浦工大高も2回に結城君と酒井君の安打などで一死一三塁として、併殺崩れの間に1点を返した。いい形ではなかったものの、わずか10人の登録ながら懸命な姿勢で戦っている芝浦工大高へのプレゼントだったのかもしれない。
芝浦工大高は、主将でもある三塁手の長尾君は毎イニング、全力疾走で守備に向かい、一番最初に守りに着いていた。また、中堅手の後藤君は前の打球や後ろの大きな打球に対しての判断力もよく、ほとんどグラウンドがなく、なかなか守備練習が出来ていない中で、センスの良さを示していたと言っていいであろう。
小平南は3回には松井君の二塁打と2つの暴投、4回には二塁打の西田君を4番の藤田君が右前打で帰すなどで1点ずつを追加。7回にも船木君、白田君ら下位打線の活躍で2点を追加していった。1年生が11人、2年生が21人という陣容で、いい雰囲気での本大会進出となった。
堀田一弘監督は、「初回の攻撃で勢いに乗れたと思います。あそこで大きく取れなかったら、また、まったく違った展開になっていたのではないでしょうか。このチームは、夏の大会で3年生たちがベスト16まで進出したのを見てきて、『ボクたちも、一生懸命にやればそこまで行けるぞ』という気持ちで取り組んできました。松井も何がいいというワケではないかもしれませんが、しっかり投げてくれたので、自信にはなると思います」と、きちんと勝ち上がっていったことで、チームそのものの成長度への期待を込めて、本大会進出を果たして、先の大会への意欲を示していた。
打たれはしたものの、最後まで投げ切った芝浦工大附・佐久間君
元気に飛び出す芝浦工大附の選手たち
試合経過を伝える、スコアボード
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(記事=手束 仁)