試合レポート

静岡vs磐田東

2021.07.26

攻守に好調ぶりを示した静岡が、7回コールドで磐田東を下し決勝進出

 いよいよ、甲子園まであと二つというところまで来た。準決勝である。
磐田東は準々決勝で、昨秋と今春の県大会優勝校で、今大会でも優勝候補筆頭と言われていた藤枝明誠を下しての進出である。その勢いはあるだろう。

 対する静岡は、ここまで勝ち残るべくして勝ち残ってきたという印象もあるくらいに、安定感はある。磐田東の勢いをどう止められるのかというところがポイントになるかなと思われた。

 静岡はエース高須が先発。前の試合でも6回を投げて無失点。今大会はまだ点を取られていない。その高須が、初回は磐田東打線をゴロ3つで抑える。

 そしてその裏の静岡。先頭の渋谷がいきなり左中間二塁打で出るとバントで三塁へ進む。3番座馬は、やや詰まり気味だったが、左翼線にポトリと落として二塁打となってこれが先制タイムリー。さらに、相手失策もあって、座馬もかえって静岡は2点を先取する。そして、2回の高須は先頭の川北に安打はされたものの、三振併殺で切り抜けるなど、結果的にはこの回も3人で抑えた。

 2回裏の静岡は、二死後2つの四球で塁が埋まると、4番池田が中前へ落してタイムリーヒット。3点目が入って磐田東の勢いは止めた。
それでも、磐田東は3~5回は毎回安打を放ち走者は出す。しかしながら、その後は髙須が丁寧に投げて、しっかりと抑えていた。

 静岡は5回には下位打線の活躍で追加点を挙げる。川端の安打と四球で塁を埋めると、9番山岸は左中間二塁打でさらに2点。そして6回も、失策絡みと挟殺プレーに対して磐田東の、やや判断ミスもあってさらに2点が入る。こうして、初回の先制から、細かく点を積み重ねていった静岡が7点差をつけた。そして7回も高須が磐田東打線を3者凡退で退けてコールドゲームが成立した。


 初回に相手の勢いを止めた静岡が、そのまま寄り切っていったという印象の試合だった。

 試合後、静岡の池田 新之介監督は、「準決勝だからといって構えることもなく、選手たちは普段の練習でやってきたことを出すことが出来たのでこういう結果になった。展開としては、先頭の渋谷がいい働きをしてくれたことで、終始主導権を取れていたので、あとは細かく点を重ねていこうと考えていた。思っていた展開に持って行かれた。守りも派手なプレーをするのではなく、ミスなくしっかり守れた」と、初回の攻撃で主導権を得たことを勝因に挙げていた。

 そして、決勝進出となった大会での流れに関しても、「6月からチームとしての調子が上がってきているところで大会に入れたのがよかった。球数制限に関しても、意識はしていない」と言う。これは、高須以外にも、鈴木 脩矢吉田 雄飛らが伸びてきて、ある程度任せられるようになったことも大きかったと言えそうだ。

 結果的には完敗という形となった磐田東だったが、各打者のスイングは強く、髙須の速球に対しても怯むことなく、打ち返していて、佐野の左翼線二塁打を含め4安打したものの、安打を続けられなかったのが痛かった。このあたりは、打者を見て、しっかりとリードしていった静岡の川端の判断力と観察力もあったということであろう。

(取材=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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