千葉学芸vs市川工
通算70本塁打の有薗直輝、3四球にも淡々。第1打席で痛烈な三塁打
三塁打の有園直輝(千葉学芸)
高校通算70本塁打の有薗直輝(千葉学芸)が市川工との初戦を迎えた。超高校級のスラッガーの登場にスカウトはのべ10人以上が視察に訪れた。
4日連続で中止になり、振り込みの数を増やして調整をしてきた。とはいえ、1年春から公式戦を経験している有薗でも夏の初戦はかなり緊張したようだ。それでも第1打席、つまりながらも右中間へ鋭い打球を飛ばし、有薗は快足を飛ばし、三塁打にした。
板倉颯汰の本塁打で今大会初得点を記録した。しかし次の打席では、一飛に終わった。この打席について有薗は「ヘッドが下がってしまい、下からボールを捉える形となってしまいました」と悔やんだが、その後の3打席は全て四球で出塁した。高倉監督は「やはり勝負はなかなかしてもらえませんよね」と想定内の四球と捉えた。有薗は「3打席目以降はしっかり選べて良かったと思います」と出塁できたことを前向きに捉えていた。
今大会は短い間隔で試合が進行していく。有薗は今の調子の上がり方ならば、やりやすいと語る。3回戦は成田北と君津商の勝者と対戦する。普段どおりのメンタリティーで打席に臨んでいけば、期待通りの豪打が発揮されるだろう。
合計100発コンビ誕生!千葉学芸のキーマン・板倉、2本塁打7打点の活躍!
本塁に生還する板倉颯汰(千葉学芸)
「今大会のキーマンは板倉です」
高倉監督が説明するように、有薗が最大限警戒される中でも得点力を落とさないためにはどうすればいいか。この1年、打順のめぐりもずっと研究してきた。秋までは3番板倉、4番有薗だったが、春先の練習試合から3番・有薗、4番・板倉の並びにしたところ、有薗が勝負される確率も増えたという。とはいえ、有薗の評判からすれば、全打席四球も考えられる。
そこで板倉の打棒が求められる。
大会初戦の市川工戦ではそれが発揮された試合だった。第1打席は有薗を三塁において、板倉は冷静に狙い球を見極めていた。
「低めは捨てて、高めに入るボールを待っていました」
高めに入ったボールを打ち返すと、ライトスタンドへ消える2ランは高校通算30本塁打に到達。さらに5回表の第4打席もライトへ本塁打。5打数4安打7打点の大活躍。
有薗の本塁打数が感覚が麻痺しそうになるが、プロ注目の通算70本塁打のスラッガーの後に、通算31本塁打を打てて、さらに対応力も兼ね備えている板倉が入る並びはやはり怖いものだ。これまでの練習試合を見ていても、板倉の対応力の高さ、そしていつでも力まずにスイングを崩すことなく、しっかりとコンタクトできる能力の高さは超高校級のものがある。
小学校時代、千葉ロッテのアカデミーで有薗と仲良くなり、さらに中学時代、進学先が決まっていない有薗に対しても千葉学芸進学を進めた男でもある。
この試合で2人の合計通算本塁打数は100発を超えた。100発コンビの打撃がますます見逃せない。
(取材=河嶋 宗一)