日本学園vs東亜学園
昨年の2回戦と同カード 因縁の対決に日本学園、集中打で昨年に続き東亜学園を下す
日本学園・浅井颯斗投手
試合開始前から、両チームとも気合が入っていた。
昨年の10月26日、[stadium]都営駒沢球場[/stadium]の第2試合で、2回戦の日本学園と東亜学園の試合があり、4対3で日本学園が逆転した。そして今年、10月25日の[stadium]都営駒沢球場[/stadium]の第2試合で2回戦の日本学園と東亜学園の一戦が再度組まれた。
全体の参加チーム数が240を超え、2回戦でも32校、使用球場も、準決勝、決勝戦しか使わない神宮球場を除いても6球場もある東京において、奇跡的な偶然で組まれたリターンマッチである。
「先輩たちも勝っています。去年を超えることを目標にしていますので、ここは負けられません」と日本学園の主将・吉澤伸容が言えば、東亜学園の主将の竹松京飛は、「昨年もこの球場で負けていますから。先輩たちの思いもありました」と語る。日本学園の吉澤も、東亜学園の竹松も、昨年は9番打者で出場し、今年は1番打者でチームを引っ張っている。
ただ東亜学園は、昨秋も投手陣の柱であった阿部太一朗と深堀力斗が故障で無理をさせられない状況にある。この試合に先発した背番号9の松本颯斗も投手陣の1人ではあるが、負担が大きくなっていた。
試合が動いたのは3回表日本学園の攻撃だった。走者2人を置いて、4番・澤田夕輝が右中間を破る三塁打を放ち2点を先制。澤田も6番・野村秀也の左前安打で還り、3点をリードする。
負けられない東亜学園は、4回裏に6番・郡司裕輝の二塁打で1点を返したのに続き、7番・高橋律樹のレフト柵越えの2ランで一気に同点に追いついた。
けれども、この試合の日本学園は集中打が出た。6回表には安打3本を連ね1点を挙げた後、4番・澤田の2打席連続の三塁打で2点を追加。東亜学園は松本に代えて、1年生の西村奏風をマウンドに送ったが、一失で日本学園がさらに1点を追加した。
東亜学園も6回裏に4番・鈴木浩太朗の本塁打などで2点を返し、7回、8回にも1点ずつ取ったが、日本学園は7回表に吉澤のスクイズなど3点を追加し、8回表にも2点を追加して勝負を決めた。
東亜学園にすれば、2年続けて2回戦で同じ相手に負けるという、悔しい敗戦になった。もちろん、主力投手2人の故障という不運もあったが、「こういう試合に向けて、故障者が出ること自体、ダメなんでしょうね」と、東亜学園の武田朝彦監督は語る。
また竹松主将は「日常の生活からしっかりしていきたいです」と語った。それでも、昨年は秋に日本学園に負けたと、夏の東東京大会は準決勝に進出している。まずは、ベストのメンバーを揃えたうえで、全体の底上げを期待したい。
勝った日本学園は、猛打が目立った一方で、エースの左腕・浅井颯斗の疲労がたまっており、後半は気力で投げている感じであった。「浅井は精神的にも疲れています」と、高橋裕輔監督は言う。3回戦は日大二との、伝統校同士の対戦になる。浅井をどう盛り立てていけるか。準々決勝進出をかけた大事な一戦になる。
(記事=大島 裕史)