城北vs國學院久我山
城北が最大12点差を逆転で初戦突破!19年の西東京代表校・國學院久我山を撃破
大逆転勝利を収めた城北
19日、[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]で行われた秋季東京都大会1回戦では、城北が最大12点差をはね返す大逆転劇で、2019年の夏の甲子園出場校である國學院久我山を下した。
序盤から國學院久我山ペースで進んだこの試合。
初回に3本のタイムリーで4点を先制すると、2回以降も着実に得点を重ねて4回表までに8対1とリードを大きく奪った國學院久我山。中盤に城北も追い上げを見せるが、7回表には8得点を奪いこれで得点は16対4に。7回コールドで勝負は決まったかと思われた。
しかし7回裏、ここから城北の驚異の追い上げが始まる。
雨が強まるコンディションの中、國學院久我山投手陣は制球が安定せず、またストライクを取りにいったボールを痛打され、流れは完全に城北へと傾く。この回だけで10得点を奪った城北は、8回裏にも4得点を挙げて試合をひっくり返すことに成功した。
結果論でしかないが、國學院久我山は好投の高橋を7回から代えたことが悔やまれる。高橋は6回を投げて8安打2失点と雨の中にも関わらず力投を見せていたが、確かに疲れも見えており、またこの先の投手起用を考えても7回での交代は決して悪い選択では無かった。
だが、投手が代わったことで試合の流れに変化があり、マウンドに上がった投手も雨でぬかるんだマウンドに対応できていなかった。致し方ない面もあるが、結果的にこの投手起用が裏目に出てしまった。
最終的に試合は18対17で城北が逃げ切り、大逆転で初戦を突破。
試合後、城北の門多元監督は「ブロック予選でも8点差を取り返した経験があったので、繋いでいけば点は取れることを選手たちはわかっていたのだと思います」と語り、劇的な勝利に笑顔を見せた。
初回にはいきなり守備の乱れもあったが、門多監督は守備面を今後の課題に挙げて「次戦までに調整をしていきたい」と話す。練習では打撃練習を重点的に行い、秋季大会はここまで3試合で41得点と持ち味を発揮してる城北。一次予選では本塁打を放った中島大我に、この3安打を放った井奥龍、4安打を放った増田滉生と好調な選手もおりチーム状態は非常に良いと見る。
夏には東東京大会の2回戦で都立小山台も撃破しており、夏に続いて実力校撃破となった。持ち味を残しつつ、守備面にも磨きをかけることが出来るか注目だ。
一方、大逆転を許して1回戦敗退となった國學院久我山。選手たちは、マスクの鼻筋部分を涙で濡らして球場を後にした。
尾崎直樹監督は「原因を見つけて、取りこぼしのないチームを作ってきたいです」と言葉を絞り出すように語り、敗戦を悔やむ。
コンディションは相手も同じで、尚且つ選手たちに油断した様子も決した無かった。それだけに、尾崎直樹監督の信じられないといった心境は痛いほど伝わってくる。
制球が良く粘り強さもあるエースの高橋風太に、正確な送球とリードが持ち味の正捕手・黒川将太、シュアな打撃が光る内山凛など経験のある選手も多く、総合力も高いチームだけに、ここからの逆襲に期待したい。
(記事=栗崎祐太朗)