川口市立vs栄東
昨秋公立勢唯一4強入りを果たした川口市立がコールド発進!収穫のある初戦に
初回、適時三塁打を放った7番・奥山 悠介(2年・川口市立)
昨秋、準々決勝で春日部共栄を破る金星を挙げ、公立校唯一の4強入りを果たした川口市立は8日、南部地区予選の1回戦で栄東と対戦し、7回コールドの13対6で勝利し初戦突破を決めた。
川口市立の先発は、昨年から主戦で登板してきたエース原口 稜平ではなく、大会前の埼玉栄との練習試合で5回無失点と好投し先発起用に至ったという背番号11をつけた1年生左腕・里川 知優。その里川は初回、一死三塁のピンチを作ると栄東の4番・芦澤 望に適時打を浴び先制を許す。
しかしその裏、6番・大戸 一輝の2点適時二塁打などで一挙5点を奪い勝ち越しに成功。2回にも3点を奪い、8対1とした。
大きく点差をつけられた栄東だったが、3回に5番・井上 慎太の2点適時打など4点、4回にも2番・飯田 瑞紀の犠飛で1点を返し6対8と詰め寄る。
それでも川口市立は6回、一死満塁の好機に2番・柴田 晃佑の走者一掃の適時三塁打などで4点、7回には9番・小柳澤 朝日の適時打で1点を奪い、13対6の7回コールドゲームで初戦を飾った。
初戦をコールドゲームで決めるも川口市立の鈴木 久幹監督は、「中盤の打線の湿り、中継プレーのミスなどが課題。県大会レベルでは命取りになる」と昨秋の経験を踏まえ、気を引き締めた。
公式戦初登板は3回2/3、5失点とほろ苦い結果となった1年生左腕の里川の登板について鈴木監督は、「原口がいるので2、3点は我慢しようと思っていました」と大黒柱の存在が下級生の経験機会を生み出している。原口を中心とした豊富な投手陣を目指す川口市立にとって、この登板は間違いなくプラスだっただろう。
また鈴木監督は、6点リードで迎えた7回の攻撃では、先頭の大戸 一輝が出塁すると、7番・奥山はあえて送りバントを出した。「この回で試合を決めるということと、どんな状況でも1点を取りに行くことを求めました。こういったプレーが大事なんです」と単なるコールド勝ちではなく多くの収穫を得られた初戦となった。
この試合は登板機会がなかったエース・原口は昨秋から体重は7キロ増えサイズアップ。最速も143キロまで上がったという。「一冬乗り越えて成長を実感しているので早く投げたいです。次戦で登板したら完封したい」と闘志を燃やす。
(記事=藤木拓弥)