試合レポート

乙訓vs鳥羽

2020.08.01

乙訓がBブロック優勝を飾る

 8ブロックに分かれてトーナメント戦を行う京都府の独自大会。Bブロック決勝は乙訓鳥羽による公立の有力校対決になった。

 乙訓の先発は昨夏に146㎞/hをマークしているエースの林翔大(3年)。8球で三者凡退と最高の立ち上がりを見せると、その裏に二死一塁から4番・勝浦淳世(3年)が右中間を破る適時二塁打を放ち、先制点を挙げる。

 さらに2回裏には一死一、三塁から9番・林の右犠飛で1点を追加。3回裏にも林の左前2点適時打などで3点を奪い、乙訓が前半で試合の主導権を握ることに成功した。

 何とか反撃したい鳥羽は4回表に一死一、二塁から6番・﨑田龍汰(3年)が適時二塁打を放ち、1点を返す。なおも一死二、三塁とチャンスが続いたが、ここは林が連続三振を奪い、これ以上の得点は許さない。

 「林はあまり調子良くなかったですね。変化球の制球は甘かったと思います。それをカバーしながらピッチングしてくれました」と林の投球を評価した市川靖久監督。制球を乱して得点圏に走者を背負う場面も度々見られたが、勝負所でストレートがコースに決まり、失点を最小限にとどめた。

 最終回は三者凡退に抑えて、試合終了。「ここの試合で勝つためにやってきたので、ホッとしています」と林は胸をなでおろした。

 「正直、甲子園を懸けた試合はしたかったんですけど、この試合は思う存分できました」と試合後に率直な思いを話してくれた林。彼に限らず、多くの選手が同じことを感じていたことだろう。目指してきた甲子園がなくなった中でもエースが試合を作り、手堅い攻撃で得点を積み重ねたこのゲームは3年生の集大成として相応しいものだったはずだ。

 甲子園には繋がらず、府の頂点を決めるわけではないが、ブロック優勝した偉業が色あせることはない。今回の結果に誇りを持って、次のステージに進んでほしいと思う。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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