高岡商vs神村学園
エース・荒井 粘りの投球で完投勝利
森田朝陽(高岡商)
大会7日目、第4試合、神村学園vs高岡商の一戦。高岡商の右サイド・荒井大地が好投を見せている。走者がいなくてもセットポジションから始動し、強烈なインステップ気味に踏み出して投げる。ストレートは125キロ前後なのだが、右打者はベース際で曲がるスライダー、インコースストレートを織り交ぜ、左打者には内角、外角を攻める投球。凄い切れのあるストレートではないが、なかなか腕が出てこない投げ方でかなりタイミングが取りにくい。
荒井がこの投げ方になったのは、昨秋から。投手コーチと話し合って打たれにくい投げ方は何かと考えた時、今の投げ方になった。これが予想以上にはまった。
控え捕手の横田大輝は荒井の変化についてこう語る。
「あのリリースだから、ボールが手元に動くんです。捕りづらいですし、紅白戦でも非常に打ちにくいんです」
また吉田監督も「秋はだいぶ甘いボールが多かったのですが、春は低めにボールが集まるようになりました」と評価する。
[stadium]甲子園[/stadium]でも安定したピッチングを見せた。好打者揃いの神村学園相手に3失点完投勝利。終盤まで精度の高いピッチングを見せていた。
高岡商の期待の巧打者・森田朝陽の勢いが初戦から止まらない。第2打席から左前安打を放つと、第3打席で左前安打を放つと、第4打席は中前安打を放ち、貴重な追加点となるタイムリー。
神村学園の好投手・田中瞬太朗相手に高い対応力を見せている。俊足で勝負強いアベレージヒッター。頼もしいキャプテンである。
控え捕手・横田は「本当にまじめな性格をしていて、自分たちがまとまらなければ、しっかりと締めてくれる良いキャプテンです」と称える。
最後まで落ち着いた試合運びを見せ、2年連続のベスト16。昨夏の経験者が多く残り、安定した戦いぶりを見せる高岡商が見逃せない。
[page_break:両チームの個人成績表]両チームの個人成績表
(記事=河嶋宗一)