津田学園vs静岡
東海対決はお互いに逸材が揃う!
津田学園のエース・前 佑囲斗
津田学園vs静岡の東海対決は、津田学園が3対1で静岡を破り、2回戦進出を決めた。
両チームとも好選手が多く見られた試合だった。勝利した津田学園のエース・前 佑囲斗は別の機会で触れる予定だが、さすが大会屈指の好投手という投球だった。
津田学園では1番・大音壱汰は塁間タイム4.00秒前後、さらに高いバットコントロールの高さが光る打撃、切れの良いの動きが光る二塁守備と走攻守三拍子揃った選手だ。
静岡も逸材が揃った。2年春の選抜で活躍を見せ、評価を大きく上げた齋藤 來音も2安打を放った。「良い投手ですが、打てない球ではなかった」というように2安打を記録。手元までボールを呼び込んで、無駄のないスイング軌道で振り抜き、鋭い打球はさすがドラフト候補と思わせる打球だった。ただ2安打よりも「2三振のほうが悔しい」と唇をかむ。
さらに盗塁を決め、守備もライトからダイレクトの返球と走攻守で躍動した。半年前まで椎間板ヘルニアに苦しんだとは思えないぐらいはつらつとしたプレーを見せていた。長いリハビリ生活だったが、斎藤にとってはプラスの期間だった。「怪我したことで、仲間と話す時間が長くなり、それは本当に大事なことだなと感じました」
それまでは練習の虫だった齋藤にとって怪我は仲間を思いやる気持ちを気付かせた。
大学進学して野球を続ける齋藤。4年後はプロも狙えるのではと思わせる逸材だった。
4回からリリーフして6回無失点の好投を見せた松本蓮も素晴らしい投球だった。左腕から常時120キロ後半~130キロ前半の速球に加え、手元で大きく落ちるスライダー、カーブ、チェンジアップを投げ分ける。投球フォームが非常によく、ゆったりと右足を挙げて、右肩が開かず、内回りのテークバックからトップに入り、リリースには入るまでの動きが実に速く、なかなか腕が見えてこない。そのためタイミングがワンテンポ遅れる。5三振を奪い、持ち味をしっかりと示すことができた。
秋以降、静岡を代表する左腕として注目を浴びることになりそうだ。
(記事=河嶋宗一)