試合レポート

習志野vs八千代松陰

2019.07.25

2年生・山内翔太が圧巻の投球!習志野が8年ぶりに夏の千葉を制する!

 令和最初の夏の千葉王者をかけた習志野八千代松陰の一戦。試合は初回から動いた。

 先攻の習志野は1番・根本翔吾八千代松陰先発。エースの川和田悠太からライトスタンドに突き刺すホームラン。いきなり先取点をもぎ取ると、6番・和田泰征のタイムリーで2点目も奪う。

 八千代松陰の川和田は130キロ台のストレートに120キロ台のスライダー。さらに110キロ前後の緩いカーブでストライクゾーンを広く使ってバッターと勝負したいところだが、初回はストライクとボールがはっきりしていて見切られる。さらに、外角中心に配球を組み立てるも左打者には踏み込まれ痛打。甘いボールも多く、そこを習志野打線に狙われた。

 一方の習志野の先発の背番号9の山内翔太は、130キロ台のストレートに110キロ台のスライダーをコースにきっちり制球されていた。またフォームに力感もない分、130キロのストレートが体の近くに来ると球速以上のボールが来ているように感じられた。

 その山内は初回に援護点をもらうと、1回から3回まで八千代松陰を塁に出さない完ぺきな投球で試合のペースをつかむ。

 習志野打線は4回に6番・和田のホームラン、5回には5番・高橋雅也のタイムリーで4対0として前半を折り返す。すると6回には8番・山内のホームランで5対0としてさらにリードを広げて試合の主導権を確実に握る。

 反撃に出たい八千代松陰だが、5回に5番・西澤慶悟と7回の4番・大竹隼平の振り逃げの2人しかランナーが出せずに試合は8回まで進む。

 7回に習志野が1点を追加して6対0で迎えた8回、マウンドの山内は八千代松陰の7番・水野雅己に外角の変化球を左中間に運ばれる三塁打を許す。続く代打・永戸涼世のショートゴロに許して1点を取られるが、後続を断ち切る。

 そして9回に2点を追加した習志野は最終回、八千代松陰の攻撃を3人で締めゲームセット。8年ぶり9度目の千葉大会制覇となった。

 今日の試合、習志野の山内は9回を1人で投げきり被安打はわずか2本。10奪三振の快投で優勝へ大きく貢献した。内と外の出し入れ、そしてストレートの切れが素晴らしく、見ていて頼もしい投球だった。

 また打線もこの試合3本のホームランが飛び出すなど、繋ぐだけではなく一発もあることを決勝戦で見せつけた。甲子園の舞台ではどんな野球で勝ち上がっていくのか、楽しみだ。

 

(文=編集部)

 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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