試合レポート

霞ヶ浦vs石岡一

2019.07.22

プロ注目投手対決を霞ヶ浦が延長10回サヨナラで制す!鈴木寛人が4イニングをパーフェクトピッチング。石岡一・岩本大地は163球粘投も報われず

 茨城大会準々決勝、Bシード石岡一とDシード霞ヶ浦のカードを迎えた。
 石岡一はここまで岩本大地土浦湖北水戸啓明を連続完封。4回戦の江戸川学園取手は継投で8対2で退けた。

 対する霞ヶ浦は2番手格の山本雄大が2試合の先発を任され土浦三に3対1、水戸桜ノ牧を10対0の6回コールドで勝利すると、4回戦はAシードの藤代にエースの鈴木寛人が登板。延長10回の死闘を一人で投げ抜き1対0でサヨナラ勝ちを収めた。

 先攻・石岡一の先発はエースの岩本大地が、後攻・霞ヶ浦は左腕の山本雄大が任された。

 1回表、石岡一は二死から3番・塚本圭一郎がセンター前ヒットで出塁し、四球で二死一、二塁とするが、5番・武田翼は空振り三振に倒れる。

 ピンチを凌いだ霞ヶ浦は1回裏に先制する。一死から2番・飯塚恒介(1年)が四球で出塁し、3番・山本雄大がライト前ヒットで一死一、三塁とする。4番・宮崎莉汰(1年)はフルカウントから見逃し三振で二死一、三塁。続く5番・芳賀太陽のライト前ヒットで霞ヶ浦が1点を先制する。

 先制された石岡一は4回表に追いつく。先頭の5番・武田が死球で出塁すると、6番・岩本大地の左中間フェンス直撃のツーベースで生還し同点とする。さらに7番・池田鉄平(1年)のセーフティバントが成功して無死一、三塁とチャンスを広げる。しかし、8番・飯塚大翔(2年)のサードゴロで三塁走者が挟まれタッチアウト。打者走者は二塁を狙うも二塁転送タッチアウトとなり逆転のチャンスが潰れる。

 追いつかれた霞ヶ浦は5回裏に勝ち越す。一死から9番・小田倉啓介がレフト前ヒットで出塁し、エンドランで二死二塁のチャンスを作ると、2番・飯塚が右中間を深々と破るスリーベースを放って1点勝ち越す。さらに四球で二死一、三塁。霞ヶ浦はここで4番に代打・仕黒大樹を送るが見逃し三振に倒れる。

 6回表、霞ヶ浦は2番手にエースの鈴木寛人を投入する。石岡一は一死から5番・武田が高めのストレートを左中間に運ぶスリーベースで出塁する。霞ヶ浦はこの一打を見て捕手を瀬川悠人から鈴木春樹を交代させる。
 一死三塁とし、6番・岩本はカウント2ボール2ストライクからスクイズを決めて同点に追いつく。

 同点とされた霞ヶ浦は6回裏、エラーと四球と送りバントで二死二、三塁の勝ち越しのチャンスを作るが、9番・鈴木寛人はライトファウルフライに倒れる。


 7回裏、霞ヶ浦は先頭の1番・天野海斗がヒットと盗塁、送りバントで一死三塁のチャンスを作るが、3番・山本はセカンドゴロでランナーは釘付け。4番・仕黒はショートゴロに倒れて勝ち越しのチャンスを生かせない。

 8回裏、霞ヶ浦は5番・芳賀太陽がショート内野安打、6番・黒田がレフト前ヒット、7番・鈴木春樹が送って一死二、三塁の絶好のチャンスを作る。迎える8番・小早川健人は追い込まれてからスクイズを試みるがアウトコースのローボールを空振り三振。ランナーが挟まれゲッツーでチャンスが潰れる。

 9回裏、霞ヶ浦は二死から2番・飯塚がライトオーバーのツーベースで出塁すると、連続敬遠で二死満塁となる。ここで5番に代打・大武文太を送るが、ファーストファウルフライに倒れ得点できない。

 何度も訪れるピンチを凌いだ石岡一だが、相手エースの鈴木寛人に完全に封じ込まれ、7回以降一人のランナーも出せない。

 延長10回裏、遂に勝敗が決する。一死から7番・鈴木春樹がストレートの四球で出塁し、盗塁と暴投で一死三塁とする。9番・鈴木寛人は簡単に追い込まれてカウント1ボール2ストライク。岩本が次に投じたボールをキャッチャーが後逸し、ホームクロスプレーは微妙なタイミングだったが、三塁走者が生還し霞ヶ浦がサヨナラ勝ちを収める。

 霞ヶ浦が延長10回サヨナラで石岡一を下して準決勝進出を決めた。

 石岡一エース岩本大地はこの日は最速で144キロを計測した。打っては自らのツーベースとスクイズでチームの全得点を叩き出し打線を牽引。延長になっても球威が全く衰えず140キロ超えの力のあるボールを放った。味方打線が鈴木寛人に完全に封じられ10回10奪三振163球の粘りの投球が報われなかった。

 霞ヶ浦は前半を山本雄大で1失点で凌ぎ、リードしたままエースの鈴木寛人につなぐ理想的な継投に成功したが、代わった直後に鈴木寛人が失点すると明らかにチームに動揺が走った。しかし代わった女房役の鈴木春樹が見事にリードして石岡一打線を翻弄した。鈴木寛人は最速147キロをマーク。1点を失ったが5イニングで無四球、7奪三振と圧倒した。
 打っては1年で2番を打つ飯塚恒介がプロ注目の岩本大地から2本の長打を放つ活躍を見せた。霞ヶ浦は準決勝で水城と対戦するが、打線は飯塚の活躍が鍵となりそうだ。

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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