試合レポート

近江vs膳所

2019.07.13

近江が盤石な試合運びで初戦突破

 春の近畿王者・近江が昨春の甲子園に出場した膳所を7回コールドで破り、初戦を突破した。

 近江の先発は絶対的エースの林優樹(3年)。春の近畿大会後は調子を落としており「この1ヶ月間は調子が悪くて不安はありました」という状態だった。それでも「久しぶりにストレートが走っていた」と初回から2三振を奪って三者凡退と上々の立ち上がり。守備から確実に流れを作った。

 一方の膳所は1年生の井上茂眞を先発に抜擢。思い切った策に出たが、初回から近江打線が襲い掛かった。1番・土田龍空(2年)が四球で出塁すると、すかさず盗塁を決める。さらに2番・見市智哉(3年)が犠打を決めて一死三塁。ここで3番・住谷湧也(3年)の内野安打で1点を先制する。4番・有馬諒(3年)も左前安打で続き、一死一、二塁とすると、5番・板坂豪太(3年)の適時内野安打でさらに1点を追加した。

 2回裏には一死一塁から土田が「低めを上手くバットに乗せることができました」と右翼スタンドに飛び込む2ランを放つ。この本塁打が高校通算19本目。この日の土田は打つだけでなく、2盗塁を決め、守備でも軽快な動きを見せるなど、来年のドラフト候補として存在感を大いにアピールした。

 さらに近江は3回裏に7番・鈴木脩太(2年)のスクイズで1点を加えると、6回裏には4安打を放って3点を追加。7点差としてコールド圏内に持ち込んだ。

 林は6回まで投げて1安打9奪三振で無失点の好投。完璧な投球内容に見えたが、降板後に多賀章仁監督からはボールが高めに浮いていたことを指摘されたという。

 「お前の持ち味はコントロールだからコントロールをもっと活かしていこうと言われました。ストレートが良くなった分、力みがありました。そうではなく力を抜いて低めに集められたら、もっといいピッチングが出来ると思います」

 相手を完全に抑え込みながらもまだ改善の余地があると話した林。全国屈指のサウスポーを打ち崩すのはそう簡単ではなさそうだ。

 7回表は藤居海斗(3年)が登板。先頭打者に四球を与えたが、後続を遊撃ゴロと三振ゲッツーに打ち取り、試合終了。盤石な試合運びを見せた近江がこの夏も湖国の本命となりそうだ。

(文:馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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