土浦三vs牛久
土浦三が辛勝で霞ヶ浦への挑戦権を得る。エース濱崎鉄平は146キロを計測!
雨が降りしきるなか迎えた茨城大会1回戦、土浦三vs牛久のカード。土浦三は1年生からスタメン出場していた力のある世代が最終学年を迎えた。中でも長身右腕の濱崎鉄平が最速144キロを誇り打線でも中心を担う。捕手の松浦直哉は183センチと大柄で4番を務める。恵まれた体格で力のあるバッテリーは一際目を引く存在だ。
牛久は中京大中京で甲子園出場経験のある竹内啓明監督が就任から2年目を迎え、仕上がりが楽しみなチームだ。
先攻・牛久は背番号1の左腕・髙橋宏太、後攻・土浦三は濱崎が先発だ。
1回裏、土浦三は死球と3番・濱崎のレフト前ヒットで二死一、二塁から、5番・宮田侑資のライト前ヒットで1点を先制する。
3回表、牛久は8番・佐山優斗が内野安打と盗塁で二死二塁とするが、1番・飯塚脩人はキャッチャーフライに倒れる。
3回裏、土浦三は四球と送りバントと内野ゴロで二死三塁のチャンスを作るが、4番・松浦の当たりはライト髙橋育夢(2年)のダイビングキャッチに阻まれ追加点を奪えない。
4回表、牛久は二死から連続四死球で一、二塁のチャンスを作るが、6番・中谷来詩は空振り三振に倒れる。
5回表、牛久が逆転に成功する。先頭の7番・古川聖がレフト線を破るスリーベースヒットで出塁すると、8番・佐山のレフト犠牲フライで同点とする。さらに二死から1番・飯塚脩人がライト前ヒットで出塁し、2番・栗山大輝の左中間タイムリーツーベースで逆転する。
逆転された土浦三はすぐに反撃する。5回裏、先頭の8番・田口雄大(1年)が四球、9番・渡辺優斗がバントヒット、2番・宮城が四球で一死満塁とする。
牛久はここで2番手にファーストの守備に就いていた右アンダースローの仙田絋己を投入する。しかしこのピンチを凌げない。迎える3番・濱崎はレフト前タイムリーを放って土浦三が同点に追いつく。なおも一死満塁とチャンスは続くが、ファーストファウルフライと内野ゴロに倒れ逆転には至らない。
7回表、牛久は二死から四球と1番・飯塚脩人のレフト前ヒットで二死一、二塁とするが、2番・栗山はライトフライに倒れる。
7回裏、土浦三が勝ち越しに成功する。四球と内野エラーで二死一、二塁から、4番・松浦のライト前タイムリーで1点を勝ち越す。
8回表、勝ち越しを許した牛久は反撃する。先頭の3番・髙橋育が死球と盗塁で無死二塁から、4番・髙橋宏のライト前ヒットで無死一、三塁の絶好機を迎える。しかし、5番・仙田は空振り三振に倒れ一死。三振の際に盗塁成功で一死二、三塁とする。続く6番・中谷のサードゴロで三塁走者が三本間で挟まれタッチアウト。二死一、三塁とし、7番・古川は空振り三振に倒れて無得点に終わる。
1点差で迎える9回表、牛久の攻撃は3人で倒れ試合終了となる。
3対2で土浦三が牛久に辛勝し二回戦のDシード霞ヶ浦への挑戦権を得た。
土浦三はエース濱崎鉄平が9回を投げ7安打10奪三振、与四死球4個で2失点の力投を見せ勝利に貢献した。試合序盤には最速146キロを計測し場内を沸かせたが、中盤以降に140キロ台は計測されなかった。私が思わず唸らされたのは8回無死一、三塁の大ピンチの場面だ。無失点で切り抜けるには三振しかないという場面できっちりと狙って三振を奪えるキレと配球はさすがの一言に尽きる。
また、打っては逆方向に2安打1打点と打線を牽引した。
さらに4番の松浦直哉が1安打1打点と中軸が得点源として機能した。
牛久は先発左腕の髙橋宏太がコーナーを投げ分け打たせてとる見事な投球を披露し、2番手の仙田絋己も1失点でしのいで試合を作った。ライトの髙橋育夢やセカンドの古川聖の好守備により序盤をわずか1失点で切り抜け5回の逆転につながったが、1点を追う8回無死一、三塁からの攻撃が試合の明暗を分けた。
(文=伊達 康)