試合レポート

富山第一vs福井工大福井

2019.06.03

富山一、連日の序盤の得点で何とか逃げ切り

富山第一vs福井工大福井 | 高校野球ドットコム
連投だったがしっかりと投げた富山一・濱田君

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 高校野球の地区大会は春季と秋季、それぞれ開催されているというのが慣例だ。そして、ほとんどの地区は、春季と秋季を別のものとして大会数をカウントしているのだが、なぜか北信越大会は春と秋を通算して大会回数をカウントしている。そうなると、毎年のカウントの関係で、春が偶数回、秋が奇数回ということになっている。だから、今春は第140回という形で開催されている。

 5大会前の第135回大会(2016年秋)には4度目の優勝を果たしている福井工大福井。今大会は福井県1位校としての登場である。富山第一は、さらにその4年前の春、つまり第126回大会で優勝をしている。今大会は富山県3位校で開催権枠での出場となったが、前日は序盤に得点を重ねて三条を下した。

 そして、この日も序盤に得点している。

 初回の富山第一は、先頭の波岡君が中前打で出ると、続く本郷君が中堅手の頭上を破る三塁打であっさりと先制。さらにこの日は3番に入っている村君もタイムリー打で2点目。差にな四球とバントで好機を膨らませていくと6番の濱田君も右前打で帰してこの回3点が入った。

 2回にも富山第一は失策で出た走者を本郷君がまたまた三塁打して帰すと、この日本来の4番に戻ってきた辻井君も中前へはじき返すタイムリー安打で早くも5点目。前日に続いて1、2回の得点で試合の主導権を奪っていく形となった。

 福井工大福井も初回は2番住君の左翼線二塁打、2回は先頭の森下君が中前打するものの、得点には結びつかなかった。それでも、3回に死球の荒木君が暴投で一気に三塁に進み、住君の右犠飛で帰して1点を奪った。

 3回から福井工大福井の田中公尊監督は、先発左腕の高木君を諦めて2人目として、右の市川君を投入。これで、富山第一の攻撃を何とか止めていくことが出来た。しかし、福井工大福井打線もなかなか反撃しきれず、連投となった富山第一の濱田君をなかなか打ちきれなかった。濱田君は、巧みに間を取りながら、終始自分のリズムを大事にしながらの、粘りの投球だった。

 こうして試合は9回まで進み、福井は一死から大上君、代打片尾君、荒木君と3連打で一死満塁として、住君の犠飛で何とか1点を返したもののここまでだった。最後まで、濱田君が粘った投球で完投した。

 富山一の黒田学監督は、濱田君の連投に関しては、「最終的には、夏の大会を見据えていく中で、やはりそのシミュレーションとしては連投もあるかなということです」ということを考えてのものだった。また、連日の序盤の攻撃に関しては、「先制しての逃げ切りと言うが形ではないけれども、春には7点リードを返されたということがあるので、リードを守って逃げ切るというのも、一つの戦い方としてはありかなということで、終盤に返されないということを経験していくことも大事なこと。こういう結果を出して行けたのはよかった」と、逃げ切れた試合展開に関して評価していた。

 会場の富山市民球場はアルペンスタジアムという呼称もある。立地としては富山駅から数キロ離れている。交通機関としては、第3セクターの東富山駅から徒歩というのもあるのだけれども、それとて2キロ弱はある。照明塔が見えているので目標は見失わないで歩けるけれども、案外遠いというのが現実である。独立リーグの試合もあるし、読売巨人軍の総帥とも言える正力松太郎の故郷でもある。だから、巨人戦も組まれることもある富山のメインスタジアムである。それにしては、足の不便さは、どうにかならないものかというのも正直な感想ではあった。

 

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.29

【春季埼玉県大会】今年の西武台はバランス型!投手陣の完封リレーで初戦突破!

2024.04.29

【春季神奈川県大会】横浜が慶應義塾を圧倒!ドラフト候補たちが投打に活躍!

2024.04.29

【春季和歌山大会】和歌山東の前芝が5回参考ながらノーノ―達成!プロ注目の強打者・谷村もタイムリーでアピール

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!