都立小松川vs国際基督教大高
2度のビッグイニングを作った小松川が圧勝
小松川・水野凛斗君
天気はいいが、上空は強く風が舞っているというコンディションだった。だから、飛球が上がると気をつけないといけないなと言うところはあったであろう。
今大会は登録人数12人ながら、昨秋は一次ブロック予選を勝ち上がって本大会出場を果たした国際基督教大高(以下ICU)。どんな戦いをするのかと注目していた。
そのICUに対して春のブロック予選では都立四商を破って勝ち上がってきた都立小松川。赴任5年目となる西山翔監督は、「今年の上級生たちは、私がここへ来た中では一番能力がある子たちが集まったのではないかと思っています。だから、少しはやれるかなとは思っていました」と、好感触を得ていたという。
その言葉通り、都立小松川は初回にICUの先発小牧君の制球難にも乗じて3四球などで一死満塁として、5番石井君が中前打してまず2点。さらにバント安打などもあって、再び満塁として7番大関君が三遊間を破って3点目。ここで、ICUの信田実監督は小牧君を早々に諦めて、この日三塁手として出場していた1番をつけた白鳥君をウンドに送った。しかし、勢いづく都立小松川は白鳥君に対しても澤砥君、矢井君と下位打線も連打してこの回6点を奪った。
さらに2回にも二死一塁で6番水橋君が風にも乗って右越三塁打を放ってさらに1点を追加した。
そして、2点を返された3回。その裏の攻撃は一死から3連打に失策や3連続四球、満塁一掃の水野君の三塁打などで打者14人の大量11点が入って試合を決定づけた。
ICUとしては、3回に庄司君の二塁打と押し出しなどで2点を返したもののそこまでだった。
地域でも上位の進学校でもある小松川は、週2回は17時15分に完全下校、他も18時には部活終了というルールがある。そうした条件の中で西山監督は、「選手が自分たちで考えて話し合っていくという姿勢を作らせることで、選手たちが積極的に取り組んでいくようになってきました。それが、いい形になっていっていると思います」と、選手たちの成長も実感していた。
都内東寄りの地区では都立城東や都立江戸川をはじめ、場合によっては都立小山台など通学圏内に有力な都立校が多くある。そんな中に、割って入っていきたいという姿勢を示す意味でも、今大会の初戦突破は大きかったと言えよう。
(取材=手束仁)