高松商vs三本松
珠玉の投手戦は高松商・香川 卓摩に軍配!
最速139キロ11奪三振1失点完投の高松商・香川-拓摩(2年)
随所に荒々しさは残しながらも、最速141キロのストレートと120キロ台のチェンジアップで凡打を積み重ねる三本松・上杉 倫聖(2年・右投右打・168センチ66キロ・さぬき市立長尾中出身)。対して左腕から最速139キロストレートと120キロ台のスライダー、110キロ後半のカットボーをル駆使し、三振の山を築く高松商・香川 卓摩(2年・左投左打・165センチ62キロ・東かがわリトルシニア出身)。この年代で四国地区屈指とも言える両者の対決は非常に見ごたえがあった。
ただ、昨年も秋季四国大会ベスト4まで到達している高松商は、三本松が見せたわずかなスキを見逃さなかった。2回裏には長尾 健司監督が「ラッキーボーイ」と称する6番・浅野 怜(2年・右翼手・右投右打・166センチ62キロ・東かがわリトルシニア出身)が真ん中高めに甘く入ってきた137キロを中越に運び、待ち受けていた相手三塁手のグラブタッチを数センチでかわしてチーム初安打となる三塁打とすると、続く新居 龍聖(2年・捕手・右投左打・170センチ67キロ・丸亀市立飯山中出身)が初球をライトに引っ張って先制犠飛。続く3回にも3四死球で得た一死満塁から浅野が中犠飛を打ち上げ2点目。結局、上杉の前には8回で2安打しか放てなかったものの、高めに外れるストレートに手を出さず6四死球を奪ったことが功を奏したといえよう。
一方、4回まで出た走者は1四球のみ。6三振と完ぺきに抑えられていた三本松は中盤以降に修正。5回表に先頭5番の吉田 裕馬(2年・捕手・右投右打・172センチ70キロ・東かがわ市立大川中出身)が右越二塁打を放つと、一死三塁から7番の代打・竹本 英聖(1年・一塁手・右投左打・178センチ77キロ・東かがわリトルシニア出身)が身体の開きを抑え、コンパクトに強くスイングして中前適時打。その後もやや球威の落ちた香川から計9安打を奪い、毎回に渡り二塁・三塁上に走者を賑わかせる。
それでも高松商の背番号「1」は最後までしたたかだった。9回表には無死一塁からバント処理で併殺を奪い、その後に連打と四球で背負った二死満塁も三振で締めて134球3四球11奪三振完投。珠玉の投手戦を制した高松商は連戦となる準々決勝で小豆島中央と対戦することとなった。
(レポート=寺下 友徳)