鶴丸vs鹿児島工
被安打20で勝利投手・丸嶺
ホームクロスプレーの瞬間
鶴丸17安打、鹿児島工20安打。計37安打、いつ果てるとも知れない乱打戦、点の取り合いが3時間続いた。
4回裏、鹿児島工は先頭の5番・田畑偉琉(2年)の左中間二塁打を皮切りに3連打を浴びせ、7番・山崎幹太(2年)、1番・塗木崇史(2年)のライト前タイムリーで3点を勝ち越した。
鶴丸は直後の5回表、代打・橋野天乙(2年)の右中間二塁打、7番・髙橋健誠(1年)の犠牲フライで1点差に詰め寄る。
中盤以降は両者取って、取り返すの繰り返しだったが、8回表に鶴丸が3番・當房義丈(2年)が満塁で走者一掃ライト線三塁打など、打者11人7得点を挙げるビッグイニングで突き放した。
鹿児島工は8回裏、7番・山崎の4打点目となるライト前タイムリーでコールドは阻止したが、反撃もここまでだった。
互いに主導権が奪えず、勝因を見つけるのが難しい試合だったが、福田健吾監督は「20安打されながら、最後まで投げ抜いた」エース丸嶺英喜(2年)の粘投を勝因の一つに挙げた。
特別速い球があるわけでも、キレのある変化球があるわけでもない。制球を一つ間違えば、簡単に打ち込まれるのは、被安打20が証明している。ただ「夏休みの頃は、打ち込まれると気持ちが切れることがあった」(捕手・櫻木鈴之介主将・2年)が「失点を最小に抑えて、最後まで集中して投げる」(丸嶺)ことだけは意識し続けた。エースの粘りに打線が応え、苦しい試合をものにできた。
(文=政 純一郎)