佼成学園vs早稲田
慢心なきエースの快投!昨秋準Vの佼成学園が初戦を突破
好投を見せた先発の鈴木隆人(佼成学園)
いよいよ秋季東京都大会一次予選。第18ブロックには、昨年の秋季東京都大会で決勝進出を果たした佼成学園が登場し、代表決定戦を懸けて早稲田と対戦した。
試合は初回から佼成学園が流れを掴む。ヒットや四球などで二死満塁のチャンスを作ると、6番・石元がレフト前タイムリーを放ってサードランナーが生還。試合後に藤田監督が「前の打者が見逃し三振をしていたので無得点も覚悟しました。石元がよくリカバーしてくれました」と語る程の、大きな先制点を挙げることができた。
この1点で勢いづいた佼成学園は、ここから一気に早稲田に猛攻を浴びせる。2回裏、一死二塁のチャンスを作り、1番・渡辺が右中間を破るタイムリ―スリーベースを放ってきっちりチャンスをものにすると、さらに一死三塁とチャンスは続く場面で、2番・阿部がライト前へタイムリーヒットを放って、さらに追加点を挙げる。その後も佼成学園は、早稲田の先発・川崎晴を攻め続け、この回だけで一挙6得点。3回にも、1番・渡辺のタイムリーなどで3点を追加した佼成学園は、試合を一方的な展開に持ち込み、優位に進めていった。
佼成学園の先発は背番号1の15785。とても鋭い腕の振りが特徴で、昨秋の決勝の舞台も経験した期待のサウスポーだ。右バッターのインコースへ執拗に攻め込むクロスファイヤーと、ブレーキの利いたスライダーのコンビネーションが素晴らしく、初回から早稲田打線を翻弄し続けた。
試合後に藤田監督が「公式戦は初先発でしたが、落ち着いて投げてくれました」と話したように、堂々たるピッチングで早稲田打線を沈黙させた。
この後も佼成学園は、最後まで早稲田に隙を見せることはなく、結局試合は16対0の5回コールドで佼成学園が勝利した。先発の15785も、4回を投げて被安打2、3奪三振、無失点という好投を見せ、公式戦初先発初勝利を挙げた。
試合後、鈴木に今日のピッチングについて聞いてみると、以外にも鈴木の口からは反省の弁が多く出た。
「序盤はストレートも変化球も高めに浮いていました。甘い球も多かったので今日は60点くらいです」
今年の12月には、U17東京選抜チームが結成されるが、今日の鈴木のピッチングを見ると代表候補として名前が挙がってもおかしくないと感じたが、鈴木はU17東京選抜についても一切関心を示さなかった。
「結果は後からついてくるものなので、まずは目の前の試合を一戦一戦やるだけです」
佼成学園の慢心なきエースに、今後ますます目が離せない。
(文=栗崎 祐太朗)