松山北vs伊予
「壮絶乱打戦」の裏にある課題
伊予13安打7四死球。松山北12安打10四死球。両校合わせて16得点。160分の壮絶な乱打戦は、6対6で迎えた8回裏無死満塁から5番・新宮 昇悟(2年・遊撃手・180センチ72キロ・右投右打・今治中央ボーイズ出身)の左越3点二塁打などで4点を奪った松山北に軍配が上がった。
全員出塁を果たした松山北、これに対し高校通算19本塁打の4番・西岡 大地(3年・二塁手・170センチ68キロ・右投右打・えひめ西リトルシニア出身)ら4長打を放った伊予、両者の打線は十分称賛に値する。ただ、裏を返せば両校の守備には明らかな課題があった。特に触れたいのは「間のなさ」である。
記録上でもそれは明らかだ。松山北も伊予も投手陣の失点シーンは全て5球目まで。特に伊予にとって8回裏の4失点は四球を除けばすべて3球目までに仕留められたものである。
本来慎重を期すべきピンチの場面でも勢いに任せて勝負を急ぎすぎ、痛打を喫した部分は野球外の部分にも通じる反省点。「自分の好きにできたので悔いはない」とするのも一興ではあるが、勝った松山北はもちろん、伊予の選手たちもこの事実をぜひ次に活かしてほしい。
(レポート=寺下 友徳)