試合レポート

安田学園vs明大中野

2018.07.20

安田学園が強打で逆転!ベスト8進出!

 ベスト8をかけた大一番。安田学園明大中野の一戦は追いつ追われつのシーソーゲームとなった。

 まず先制したのは明大中野。2回表、6番石川雄大(3年)がレフトスタンドへ飛び込む本塁打で2点を入れる。左打者ながら逆方向へ本塁打にする石川。神宮第二球場ではなくても本塁打の当たりだった。

 しかし2回裏、安田学園は5番森一光(3年)の中前安打のあと、6番星 竜樹(3年)が右翼線を破る二塁打で1点を返し、一死三塁から8番清水の二塁内野安打で同点に追いつく。

 同点に追いつかれた明大中野だが、3回表、二死一、二塁から4番加藤がレフトの頭を超える適時二塁打で2点を勝ち越し、さらに4回表、ボークの間に1点を追加し、5対2と点差を広げた。

 このままでは終われない安田学園は5回裏、二死一、二塁から5番森が高々と打ち上げた打球はライトへ。しかしライトが逆光によりボールを見失い、打球は頭を超えて二者生還。さらに星の適時打で同点に追いつく。

 そして7回裏、一死一塁からここまで3安打を放っている森。森は明大中野の石川が投じたスライダーを逃さず、右中間を破る適時二塁打を放ち、ついに勝ち越しに成功する。その後、一死満塁のチャンスから敵失が絡み2点を追加。なおも西三塁から9番今関の左前適時打で一気に4点を入れ、9対5と大きく突き放した。

 投げては安田学園の左腕・清水 雅孝(3年)が125キロ前後の直球とスライダーを投げ分け打たせて取るピッチング。9回表、1番明新大地(3年)の適時二塁打で1点を失ったが、後続を抑え、安田学園が8強入りを決めた。

 勝利した安田学園は打線が強力。それぞれの打者が鋭い打球を放っており、怖さがある。その中で、5番の森の打撃は見所がある。5試合に登場し、18打数8安打9打点と大当たりを見せている。スクエアスタンスでバットを立てて構えていき、バックスイングを深く取って、左ひじをうまく使い、最短距離でボールの下側をとらえ、角度のある打球を飛ばす。全体的に打球が鋭く、コンタクト率も高い左の中距離打者である。準々決勝以降も勝負強い打撃を見せることができるか。

 そして無安打に終わった伊澤 健翔(2年)はそれまでの4試合で、17打数8安打と大当たりしていた左のアベレージヒッター。スイングを見ていても体幹を使って鋭いスイングは見せており、しっかりと捉えれば鋭い打球を打てる。打撃以上に目についたのが守備。ものすごくスピードがあるという選手ではないが、バウンドの合わせ方、巧みなグラブ捌きが光るショートストップ。1回表にはセンターへ抜けそうな打球を追いついて、そのままランニングスロー。2回表には三遊間の深い位置から逆シングルで捕球し、ダイレクトスローでアウト。8回表には複雑なバウンドに対してしっかりと処理してアウトにするなど、その守備力は東東京でもトップレベル。少ない守備機会で見せ場をしっかりと作ってくれた。準々決勝以降も楽しみな選手といっていいだろう。

 敗れた明大中野はエースの石川は3安打を打つなど打者として見どころがあった。懐が深く、パワフルなスイングから繰り出す打球は強烈で、態勢を崩されてもヒットにできる技術の高さがある。パワーもあり、次のステージでは野手として飛躍を期待したい選手だった。

(レポート=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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