池田vs川島
名門・池田、同地区ライバルを上々の内容で下す!
「しののめの 上野が丘に~」
池田辻の勝利から約19時間が経過した13時34分。再び「あの校歌」がオロナミンC球場に流れた。近年の徳島大会としては異例とも言える5割以上が入った内野スタンドに向かって「やまびこ」を響かせたのは胸に「IKEDA」のユニフォームをまとった選手たち。1982年夏・1983年春(夏春連覇)、1986年春と3度の甲子園優勝を果たすなど、日本高校野球界にその名を轟かせてきた徳島県立徳島池田高等学校である。
2016年4月からは徳島池田1986年春の優勝メンバー。徳島商監督として2006・2007年に甲子園出場も果たしている井上 力監督が指揮を執り、1勝をあげた2014年センバツ以来の甲子園と1992年以来実に26年遠ざかっている夏の甲子園出場を目指している徳島池田。
その初戦の相手は、2010年にはセンバツ21世紀枠で甲子園初出場し、前年明治神宮大会王者の大垣日大(岐阜)に延長10回まで食い下がる大健闘。応援団賞最優秀賞を受賞したスタンドと共に鮮烈な印象を残した西部地区のライバル校・川島であった。
1年夏から登板実績を持つ川島左腕・藤田 淳平(3年・182センチ86キロ・左投左打・美馬市立江原中出身)も集大成の夏を迎え、接戦が見込まれたこの試合。だが、結果から言ってしまえば試合は徳島池田の圧勝であった。
その主役は、やり投げの小中学生版「ジャベリックスロー」2015年ジュニアオリンピック王者<71メートル32>も獲得したことのある最速140キロ2年生右腕・白川 恵翔(179センチ85キロ・右投右打・美馬市立江原中出身)である。川島戦での白川は初回から自己最速タイの140キロをマークしたストレートがよく走っており、8回を投げてわずか98球・2安打2四球8奪三振無失点と相手につけいるスキを与えなかった。
打線も3番・小角 翼(2年・遊撃手・右投右打・178センチ87キロ・三好市立三好中出身)の3安打2打点、5版・益田 雄斗(2年・一塁手・168センチ72キロ・右投右打・瀬戸内クラブヤング<広島>出身)の3安打1打点など14安打4四球で6得点と白川を援護した。
反面、11残塁など課題も残った徳島池田だが、最初の山を順調に昇ったことで勢いも生まれてくるはず。彼らが、この先そのような形で「名門復活」のシナリオを描くのか。今から楽しみである。
(レポート=寺下 友徳)