藤井学園寒川vs飯山
飯山、大敗の中に見えた「個性を伸ばす」
俯瞰した見地で言えば5回表以降の3イニングで計11点を奪い、髙橋 直希(3年・176センチ64キロ・右投右打・小松加賀リトルシニア<石川>出身)が先発6回1安打7奪三振。7回裏は山岡 龍弥(3年・183センチ82キロ・右投右打・大阪旭リトルシニア<大阪>出身)が16球全てを最速138キロのオールストレートで押し、2奪三振3者凡退で締めた藤井学園寒川が、第3シードの貫録を示した形。ただ大敗に終わった香川飯山も、随所に持ち味を見せた。
特に目を引いたのはベースランニング1周14秒2の1番・染谷 義人(3年・遊撃手・168センチ67キロ・右投左打・善通寺市立西中出身)と、同じくベースランニング1周14秒3の6番・松下 竜己(3年・中堅手・170センチ65キロ・右投右打・丸亀市立東中出身)。
三菱重工広島出身の上田 将人監督の指導ぶりがよくうかがえる相手投手にプレッシャーを与えるリードオフや、広大なスペースを埋めた守備面は、4回までスコアレスを維持する原動力となった。逆に5回表途中、松下の脚がつり交代を余儀なくされたのは香川飯山にとって痛恨事だったとも言える。
新チームは9人と苦しい布陣とはなる香川飯山だが、目指す方向性は間違ってはいない。これからも「個性を伸ばす」指導をベースとし、そこに戦術を掛け合わせていけば、大敗を勝利につなぐことは必ずできるはずだ。
(レポート=寺下 友徳)