専大松戸vs千葉黎明
専大松戸・杉田が6回参考のノーヒットノーラン!コールド勝ちで3位で関東大会へ
6回無安打・12奪三振を記録した杉田智也(専大松戸)
関東大会順位決定戦は専大松戸と千葉黎明の一戦に。試合は専大松戸のフレッシュな顔ぶれが活躍を見せた。
専大松戸は背番号11の杉田智也(2年)が先発。オーソドックスな右投手で、コンパクトなテークバックから繰り出すストレートは常時130キロ前半(最速133キロ)を計測。速球の回転数は高く、両サイドへしっかりと決まる。速球以外では、125キロ前後の高速スライダー、110キロ前後のカーブの精度も高く、ストレートが主体ながら、緩急をうまく使った投球で5回まで無安打の投球を見せる。背番号1の右サイド・横山 陸人(2年)とは違うタイプだが、直球の勢いもあり、さらにストレートも速くなる予感をさせる投手である。
そして野手では市川リトルシニア出身の1年生・高崎大和が先発出場した。高崎は3回裏の第1打席で二塁手のフライ落球で二塁へ。1番藤田の犠打が安打となり、無死一、三塁のチャンスを作り、2番金井の犠飛で1点を先制。さらに3番昆野の時に藤田が盗塁。昆野が中前安打で一死一、三塁とつなぐと、4番今里凌(3年)の場面で、昆野が二盗。二、三塁から今里がライト越えの適時二塁打で2点を追加し、5番石川 祐暉(3年)の中前適時打で4対0とした。
5回裏、専大松戸は3番昆野がライトフェンス直撃の二塁打を放ち、1点を追加すると、一死二、三塁から5番石川が左越えの適時二塁打を放ち、7対0。そして二死一、三塁から8番杉田が左中間を破る適時二塁打で2点を入れて、9対0。5回まで無安打の先発・杉田は6回表は三者三振に打ち取り、いまだ無安打。さらに12奪三振とまさに快刀乱麻を断つピッチングを見せていた。
そして6回裏、一死二塁から3番昆野が左越え適時二塁打を放ち、10点目。専大松戸が6回コールド勝ちで3位を確定させた。
この試合の収穫は6回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した杉田。杉田は県大会2回戦の松戸馬橋戦で、12奪三振2失点の完投勝利を挙げており、今大会は15回を投げ、24奪三振と安定感抜群のピッチングを見せた。春の関東大会、夏の西千葉大会へ向けて楽しみな投手が出てきたといっていいだろう。
そして打線はクリーンアップ全員が打点を挙げる活躍を見せた。準決勝の習志野戦はコールド負けのうえに、3安打完封と屈辱の結果だったが、同じ過ちを繰り返さぬよう、今日の専大松戸は打ち終わった選手が次の打席に迎える選手と話し込んで、投手の特徴を話す様子が頻繁に見られた。3回裏、復活の適時二塁打を放った今里は1点目のホームを踏み、ベンチに戻りかけていた高崎を呼び、相手投手の特徴について話し合う姿があった。そういう姿勢が二塁打を生んだのかもしれない。
前年から活躍するレギュラーと新戦力がうまく絡んで、3位で関東大会に出場。関東大会初戦は花咲徳栄と対戦するが、どんな戦いを見せるのか、楽しみである。
(文・写真=河嶋宗一)