試合レポート

習志野vs東京学館浦安

2018.05.05

終始試合を支配した習志野がベスト8へ!

習志野vs東京学館浦安 | 高校野球ドットコム
先発の飯塚脩人(習志野)

 千葉の名門・習志野。そのスタンドを彩るのは全国屈指のブラスバンドである。あの大声援を背に戦う選手にとっては、これ以上ないサポートといっていい。だが準々決勝の相手、東京学館浦安にもスタンドの選手・父兄からの大声援が送られた。

 仲間たちの支えを一身に背負った両チームの一戦は、初回から動く。習志野の2番・鈴木空吾、3番・柏木貞治が連続四球でチャンスを作ると、4番・岡尚吾の時に習志野ベンチが動く。
 岡への4球目で、ダブルスチールを敢行する。結果として鈴木は三塁でアウトになるが、二死二塁となる。そして続く5球目を岡は捉え、右中間を破るタイムリー二塁打を放ち、先制点を挙げる。

 習志野の先発は、背番号11の飯塚脩人。自慢の速球に、キレのいい縦のスライダーを武器に東京学館浦安打線を封じる。
 だが2回に東京学館浦安5番・増田龍一に四球を与えると、6番・増田侑人にライトへヒットを打たれ、ピンチを迎える。

 このピンチをキャッチャー・川島直之が助ける。東京学館浦安の7番・北村晟人への初球がショートバウンドになったが、身体でブロック。止めたボールを一旦は見失ったが、その後が良かった。
 ボールの位置を確認した後、一塁ランナー・増田侑が飛び出しているのを見ると、すかさず一塁へ送球。増田侑は慌てて帰塁するも間に合わず、タッチアウト。これで二死とすると、北村をセンターフライに抑えてピンチを脱する。

 2回は三者凡退に終わった習志野だったが、3回に打線が一気に爆発する。この回先頭9番・石川大智、1番・根本翔吾が四球で出塁しチャンスメイク。続く2番・鈴木の送りバントで内野の守備が乱れ、思わぬ形で習志野が無死満塁のチャンスを迎える。
 試合巧者の習志野はこのチャンスを逃さなかい。3番・柏木、5番・加瀬龍希のタイムリーでさらに3点を追加し、4対0とする。

 勢いにのる習志野は4回に3番・柏木のタイムリーで1点、5回には5番・加瀬の二塁打を皮切りに2点を奪い、5回までに7点を奪う。

 その後の習志野・飯塚は3回に三者三振に斬って取るなど、ランナーの出塁を許さない完璧なピッチングを披露する。

 最後は東京学館浦安4番・高橋晶をライトファールフライに抑え、ゲームセット。7対0の7回コールドで習志野が準々決勝進出を決めた。

 終始投打で東京学館浦安を圧倒していた習志野。その勝因は走塁にあるように見えた。
 失敗はしたものの、初回にはダブルスチールを敢行。この作戦で、東京学館浦安は常にランナーが走ってくるのではないか、と意識せざるを得なくなったのではないか。
 またセカンドランナーは第二リードを大きく取り、次の塁を狙う姿勢を見せ続けた。打者走者は、一塁のタイミングがアウトかセーフ、際どければヘットスライディングをしていた。

 これは東京学館浦安からすればプレッシャーが半端ではない。野手は、一瞬の気の緩みが原因でランナーの出塁・進塁を許す可能性がある。また投手は、ランナーに気を取られると打者との勝負に集中できず、ボールが甘くなる可能性がある。そうすると、必然的に連打を浴び、大量失点に繋がりかねないというわけだ。

 今日のゲームはスタンドからの圧力よりも、塁上からの圧力をかけ続けたことが、習志野の勝利に繋がったのではないだろうか。

(文・写真=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【三重】津田学園-菰野、5年ぶりの決勝対決<春季県大会>

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!