英明vs高松商
英明、県大会に続き高松商を破り、3年ぶりセンバツへ前進!
英明先発・黒河 竜司(1年)
「力負け。見事にやられました」と長尾 健司監督が完敗を素直に認めれば、主将の米麦 波留(2年・二塁手・右投左打・167センチ64キロ・香川県立高松北中出身)は「自分たちは研究していたのに打てなかった」と一言。そして高校通算15本塁打の4番・女房役の藤川 眞嘉(2年・捕手・右投右打・173センチ87キロ・高松市立山田中&ALL高松<ソフトボール>出身)が「ストレートを意識させながら変化球を使っていく配球をしようとしたら、甘い変化球を仕留められた」と唇を咬む。準々決勝・鳴門戦での8回裏8得点大逆転の余勢をかって4対6で逆転負けした県大会準決勝のリベンジを期した高松商を、英明は「倍返し」で跳ね返してみせた。
その原動力となったのは県大会からの7試合60イニングをすべて投げぬいている最速138キロ右腕・黒河 竜司(1年・投手・180センチ75キロ・右投右打・高松市立屋島中出身)も「この四国大会はみんなのおかげで勝てている」と感謝しきりの好調打線だ。
中でも特筆ものなのが6番以下の下位打線である。12安打中7安打・8得点7打点中、6打点を記録した準々決勝・高知戦に続き、この試合でも13安打中6安打・12得点11打点中9打点が6番以下。1対1の同点で迎えた3回表は一死満塁から7番・中村 太陽(2年・捕手・右投右打・165センチ75キロ・徳島ホークス<徳島・ヤングリーグ>出身)の右前適時打、8番・山下 鳴海(2年・左翼手・右投右打・174センチ73キロ・高松市立太田中出身)の左越満塁走者一掃二塁打とボークを絡めて一挙5得点。4回表にも二死二・三塁から初球を叩き、三塁線をあっという間に抜いた6番・山上 慎太朗(1年・遊撃手・右投右打・172センチ62キロ・坂出市立白峰中出身)の二塁打で中押し。
6回表英明先頭打者で大会第4号ソロを放った3番・田中 陸(2年・三塁手)
最後は6回表、3番・田中 陸(2年・三塁手・173センチ66キロ・右投右打・徳島阿南シティーホープ<徳島・ヤングリーグ>出身)の自身高校通算2本目、大会第4号のソロアーチを皮切りに、一死二・三塁から中村の2点打、最後は9番・中川 文太(2年・右翼手・右投左打・175センチ75キロ・橿原ボーイズ<奈良>出身)の右前適時打でコールド勝ちを決めることに。
加えて「相手の香川 (卓摩・1年・左投左打・167センチ56キロ・東かがわリトルシニア出身)くんはインコースを突いてくることがわかっていたので、ベースから離れて内角に絞っていった」田中が4打数2安打1四球3得点、高校通算25本塁打を数える4番・千原 凌平(2年・一塁手・右投右打・171センチ82キロ・京都木津川リトルシニア<京都>出身)も2打数2安打1四球1犠打2得点と主に黒子に徹したことも大量点の一因となった。
かくして3年ぶり2度目の大会決勝戦進出・センバツ出場を大きく引き寄せた英明。次に目指すのは「打たれるのは当たり前。その中でも淡々と戦っていく」(黒河)コンセプトを貫いた上で、3年前と同じく秋の四国制覇を、今度は盟主・明徳義塾を破って成し遂げることである。
(レポート=寺下 友徳)
注目記事
・2017年秋季大会 特設ページ