駒大苫小牧vs札幌日大
駒大苫小牧、土壇場の粘りを発揮し、延長12回逆転サヨナラ!
サヨナラ勝ちした駒大苫小牧
前半は札幌日大が先行。駒大苫小牧は5回に追いつき、7回に代打・白田 悠祐外野手(2年)のタイムリー二塁打で勝ち越したが、8回に札幌日大が追いつき、ゲームは延長へと入った。
10回表、札幌日大は一死二、三塁とチャンスを作り六番・大滝 奏斗内野手(1年)の打席。ここで駒大苫小牧の二番手・鈴木雄也投手(2年)が三塁へ牽制球を投じるが、サインミスで小出 皓太三塁手(2年)がベースカバーに入っておらず、ボールが三塁側ファウルグラウンドを転がる間に二者が生還。札幌日大が勝ち越しに成功した。
しかしその裏、駒大苫小牧は連打でチャンスを作り、犠牲フライで1点を返すと、さらに一死満塁として二番・大槻 龍城主将(2年)が犠牲フライ。土壇場でまたも同点に追いつき、延長は続いた。
12回表、札幌日大はこの日4安打の七番・奥澤 完偉主将(2年)がタイムリー二塁打を放ち1点を勝ち越す。
だがその裏、またも駒大苫小牧はまたも満塁のチャンスを作ると、三番・横地颯外野手(2年)と四番・荻田 隼斗捕手(2年)の連続犠牲フライで逆転サヨナラ。4年ぶりの決勝進出を劇的な形で決めた。
敗れた札幌日大の秋場 拓也監督は、「なかなか簡単には勝てないと思いましたが…10回表に相手のミスで2点を取った。あそこで勝つことができなかった。うちの弱さが出ました。粘りは相手の方が一枚上でした。勝たせてあげられなかった。選手に申し訳ない」と肩を落とした。
3時間37分の激闘。延長での4点は全て犠牲フライの珍しい展開で泥臭く勝ち切った駒大苫小牧。
勝負のポイントの一つが、10回表に鈴木が無人となった三塁へ投じた牽制悪送球だった。キャッチャーの荻田は、「牽制のサインを出したが、ピッチャーは気づいて、サードが気づけていなかった。確認不足でした」と話す。佐々木孝介監督も、「私の指導がまだ足らなかった」とまさかの出来事を振り返る。間違いなくゲームが動いた瞬間だった。
だが、まだ裏の攻撃がある。「誰も諦めていなかった。最少失点に抑えることを心がけた」と荻田は気持ちの切り替えが出来ていたことを明かす。
裏の攻撃。先頭打者で途中出場の佐藤 大善(2年)が二塁打を放ち、代打・福岡 爽太(1年)がヒットで繋いだ。そして同じく代打・弓田竜之介(2年)が犠牲フライ。途中出場と代打だけで奪った1点も先発出場していた選手に勇気を与えた。指揮官も「代打がよく繋いでくれた」と嬉しがった。
4年ぶりの秋頂点へあと1勝。「決勝もチャレンジャー精神で勝ちます」と佐々木監督は決意を口にした。
(文・写真=松倉 雄太)
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