神港学園vs市立尼崎
神港学園、最後まで苦しむも1年生右腕・羽地の好リリーフで、2年ぶりの近畿大会出場!
リリーフの羽地(神港学園)
近畿大会出場をかけた3位決定戦。まず先制したのは、神港学園。一死一塁から3番戒がスレフト越えの長打で1点を先制。さらに二死二塁から5番亀谷の中前適時打、6番齊部の中前適時打で、3点を先制する。
しかし市立尼崎も、5番佐藤が四球で出塁し、犠打で送り、一死二塁から7番金丸のタイムリーで1点を返し、3回表には5番佐藤の犠飛で1点を返し、1点差に迫る。
しばらくは膠着状態に。神港学園は2番手・羽地直喜(1年)が好投。右スリークォーターから常時125キロ~128キロ前後だが、威力あるストレートで、市立尼崎打線を抑え、市立尼崎の先発・竹中哲平は、前半、揃えすぎてしまうところがあり、球速も、125キロ~128キロとあまり走っていなかったが、尻上がりに調子を上げて、130キロ前後のストレート、スライダーのコンビネーションで、神港学園打線を抑える投球を見せる。
二塁打からチャンスを作り、1番松田がきっちりと犠打で送ると、2番洞の適時打で同点に追いつく。
7番戸倉が二塁打を打ち、ここで投手交代。右の本格派・小森陵司(2年)を投入。8番羽幡の犠打で一死三塁となって、9番前田武斗が135キロのストレートをはじき返し、中前適時打。神港学園が勝ち越しに成功する。
その後、市立尼崎は8回、9回も得点圏に走者を進めるも、羽地の粘りが勝り、神港学園が近畿大会出場を決めた。
試合後、北原監督が拍手をして、選手たちをねぎらったように、粘り強い試合運びができるチーム。突出とした力を持った選手は少ない。しかし来年3月限りで退任になる北原監督のために、長く野球をやりたい。そんな意志がみられる試合だった。
敗れた市立尼崎は1年生レギュラーが多く、これからのチーム。まだ課題は多いチームだが、その分、伸びしろがある。今回期待したい投手が2番手の小森。上背もあって、強く腕が振れるのがこの投手の魅力。この試合では最速136キロを計測。まだまだ細身だが、体が太くなる兆候が見えると、一気にボールが良くなる可能性を持っている。この試合では9回表二死までしっかりとキャッチボールをして、同点にすることを願っている姿があった。投手としての将来性は、甲子園出場時のエース・平林弘人(佛教大)、今年のエース・辻井 亮汰より上だと感じさせるものがあった。ぜひ大化けをして、来年の兵庫を沸かせるピッチングを見せてほしい。
(文=河嶋 宗一)
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