豊中vs上宮太子
積極策で上宮太子を撃破!豊中が2009年夏以来の3連勝
辻 竹朗(豊中)
「強豪という名前に負けないように」
初戦で東淀川を破り、去年の春以来5季ぶりの白星を挙げた豊中は、続く3回戦でも都島工に1点差で競り勝った。公式戦での連勝は2014年の春以来。波に乗るチームは次戦で昨秋チャンピオンの上宮太子と当たることになり、福田 修一監督は冒頭の言葉を選手達に投げかけた。
そして迎えた強豪私学との大一番。初回にエース・吉村 優希(2年)がつかまり3点を失う。傍目には厳しい立ち上がりに映ったが、果敢な攻撃で劣勢を覆す。
1番・井本 陽大(2年)がレフト線へ二塁打を放ち出塁すると、一死後、3番・東原 賢征(1年)の打球が上宮太子のファースト・大西 祐之(2年)のグラブを弾く。スタートを切っていた2走・井本はその間に長駆生還。3点ビハインドの一死二塁からのエンドランでまずは1点を返した。さらに続く紀 智哉(2年)の打席でも再びエンドラン。サードゴロで一死二塁とすると、キャプテンの辻 竹朗(2年)がセンター前への安打でつなぎ盗塁を決めて二死二、三塁。このチャンスに6番・岩田 勇輝(2年)がレフトオーバーの2点適時打を放ち同点とする。
突き放したい上宮太子は2回、吉永 朋起(2年)の安打と2四球で一死満塁とすると4番・大西がレフトへ犠牲フライを放つ。しかし得点はこの1点止まり。大ピンチを最少失点で凌いだ豊中はその裏、二死二塁から数学の習熟度別クラスは難易度の高いαクラスに在籍するなど成績優秀な中村 祐介(2年)の適時打で再び同点に追いつく。ここで上宮太子は投手交代。リリーフ登板はあったが公式戦初先発となる尾松 大輔(2年)にとっては苦い経験となってしまった。
上宮太子はセンターの守備に就いていたエース・尾川 洸晟(2年)がマウンドへ。その代わり端、再び豊中ベンチが仕掛ける。初球に中村がスタートを切り盗塁成功。得点圏に進むと東原かライト線へ適時二塁打を放ちついに勝ち越し。さらに紀がライトスタンドへ2点本塁打を運び、7対4。「先っぽでしたけど行ったと思いました」3回戦の都島工戦の初回に先制ツーランを放っておりこれで2試合連発。4番の一振りでリードを3点に広げた。
打線の援護を受けた吉村は立ち直り3回から6回までは無安打投球。上宮太子はこの間に2度先頭打者を四球で出塁させたが打線がつながらない。互いに0行進が続く中、またしても豊中が積極策で試合を動かした。7回の裏、一死一塁から辻の打席でエンドラン。打球はライト・仲嶺 明伸(2年)のグラブのわずか先を抜ける適時二塁打。辻は真面目な性格の持ち主で、クラスでも女子の間では「お兄ちゃんにしたい人、第1位」として名前が挙がるほど頼りにされているという。信頼感の厚いキャプテンの一打で欲しかった追加点を奪った。直後に背負った二死一、三塁のピンチでは、サード・山嵜 貴之(2年)が背走しながら難しいファールフライを掴み得点を与えない。
9回、4点を追う上宮太子の攻撃は粘投を続ける3番・尾川から。クリーンアップのバットに期待がかかったが、2イニング目となった左腕・河村 隆之介(1年)を捉えられず。打倒、私学を果たした豊中、公式戦3連勝は2009年の夏以来。大きな大きな1勝を挙げた。
(文=小中 翔太)
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