済美vs東温
済美「想定外の」打棒で秋初戦大勝発進!
済美2番・矢野 功一郎(2年)
「想定外の展開でした」
1年秋から東温のエースに座る亀岡 李樹(2年・171センチ67キロ・右投右打・東温市立重信中出身)から5回11安打6四死球12得点。11安打のうち6本が長打と夏の甲子園を彷彿とさせる強打を見せ付けたにもかかわらず、済美・中矢 太監督は試合後、意外な第一声を発した。
ただ、試合の運び方を精査すれば、指揮官の言葉に偽りはないことは明らかである。1回表一死から左中間三塁打を放った旧チームからのレギュラー2番・矢野 功一郎(2年・遊撃手・171センチ65キロ・右投左打・西条少年野球団<現:西条ボーイズ>出身)を3番・中井 雄也(2年・二塁手・171センチ65キロ・右投右打・五條市立五条東中<奈良>出身)が確実にスクイズで迎え入れ先制。2回表も連打を犠打で送った一死二・三塁から2013年センバツ準優勝時の主将・宇佐川 陸(現:東洋大4年)の実弟である9番・宇佐川 輝(2年・三塁手・174センチ70キロ・右投右打・えひめ西リトルシニア出身)が中前2点打で還す堅実性が一挙7得点につながった。
事実、最速137キロのストレートとスライダー・フォーク・シュート・カーブを備え持ち、「初回から全力で投げようと思った」この日は3安打1失点に東温打線を抑えたエース・山口 直哉(南あわじ市立三原中<兵庫>出身)も「自分たちは守備のチーム」と語っている。
ただ、同時に山口はこうも述べた。「守備は悪くないので、甲子園後にはバッティングに力を入れてきました」。その意味で捕手から中堅種にコンバートされ、三塁打と内野安打、盗塁と50メートル走る6秒1の俊足をいかんなく発揮した1番・政吉 完哉(2年・167センチ62キロ・右投右打・葛城ボーイズ<奈良>出身)や、この日は3四球と徹底マークされた4番・池内 優一(2年主将・右翼手・180センチ81キロ・右投右打・今治中央ボーイズ出身)の後ろで2回表に左越二塁打で2打点を奪い、捕手としても二塁送球2秒を切る強肩を披露した芦谷 泰雅(1年・169センチ81キロ・右投右打・伊予三島リトルシニア出身)らの台頭は、首脳陣にとっては嬉しい「想定外」であろう。
代表決定戦の相手は松山商。「何とか最少失点に抑えてゲームを作りたい」(中矢監督)と慎重居士を崩さない済美は想定内の試合運びをベースに、想定外を積み上げながら夏春連続甲子園出場への長い道を昇っていく。
(レポート=寺下 友徳)
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