土浦日大vs霞ヶ浦
土浦日大が延長15回の激闘を制し31年ぶりの甲子園へ!!
前日に予定されていた決勝戦は雨天のため、27日に順延となった。
先攻・土浦日大は背番号1の右スリークオーター・富田卓(2年)が、後攻・霞ヶ浦は背番号1の右の本格派・遠藤淳志が任された。
1回裏、霞ヶ浦は四球と3番・丸山礼央也のレフト前ヒットで一死一、二塁から、ショートの悪送球で1点を先制する。なおも二死二、三塁とし、6番・天野海斗(1年)のセンター前ヒットで2点を追加する。
2回裏、霞ヶ浦は先頭の8番・遠藤がレフト前ヒットで出塁し、送って一死二塁とすると、1番・小儀純也(2年)のセンター前ヒットで4点目を奪う。
3回裏、霞ヶ浦は先頭の4番・木村翔大がセンター前ヒットで出塁し、内野安打と四球で一死満塁とチャンスを広げるが、三振と内野ゴロで追加点を奪えない。
4回表、4点差とされた土浦日大が反撃に出る。振り逃げと4番・井上 莞嗣(2年)のライト前ヒット、さらに四球で一死満塁とすると、6番・小澤礼嗣(2年)のレフト犠牲フライで1点を返す。なおも二死二、三塁とし、7番・森本 玲委也の内野安打で2点目を奪う。
4回裏、霞ヶ浦は先頭の1番・小儀がレフト前ヒットと内野ゴロで一死二塁とすると、3番・丸山がレフトにホームランを放ってその差を再び4点とする。さらに4番・木村翔大が左中間ツーベースでチャンスを作る。
土浦日大はここで2番手に背番号10の左腕・13617を投入し、後続を無失点で切り抜ける。
5回裏、霞ヶ浦の猛攻は続く。四球とバント処理のミスで無死一、二塁から、1番・小儀のセンター前ヒットで1点を奪いその差を5点とする。なおも無死二、三塁とチャンスは続く。ここで強攻策に出るが、内野フライ2つでこの決定的なチャンスに追加点を奪えない。このとりこぼしが後々に響いてくる。
6回裏、土浦日大は3番手に右スリークオーターの本間珠羽(2年)を投入する。
霞ヶ浦は連続四球と送りバントで一死二、三塁のチャンスを迎える。ここも打って出るが内野フライで追加点が奪えず足踏みする。
絶体絶命のピンチを2度凌いだ土浦日大が流れを手繰り寄せて7回表に反撃に出る。
先頭の7番・森本がレフトオーバーツーベースで出塁すると、8番・星野 舜のライトオーバーツーベースで1点を返す。さらに内野ゴロで二死三塁とし、2番・三村航平のポテンヒットで4点目を奪う。
3点差に迫られた霞ヶ浦が7回裏に追加点を奪う。先頭の2番・益子が四球で出塁。
土浦日大はここで4番手にファーストの守備に就く右腕の井上をマウンドへ送る。
霞ヶ浦は犠打と4番・木村のライト前ヒットで一死二、三塁とすると、5番代打・出頭のスクイズで8点目を奪いその差を4点に広げる。
4点差にされた土浦日大だが、8回表に連打で追い上げる。先頭の4番・井上から三連打で無死満塁とすると、7番・森本のレフト前ヒットで1点を返す。霞ヶ浦はここで左腕の齋藤康徳をマウンドへ送り、先発の遠藤はファーストの守備に就く。しかし土浦日大の勢いは止まらない。無死満塁から、8番・星野がレフト前ヒット。怒涛の5連打で6点目を奪いその差を2点とする。なおも無死満塁とチャンスは続くが、9番代打・中川朋彦(1年)は空振り三振。
霞ヶ浦は一死満塁としたところで遠藤をマウンドへ送る。齋藤はファーストへ。ここで1番・鈴木健太(2年)はショートゴロゲッツーに倒れ追加点を奪えない。
8回裏、2点差に迫られた霞ヶ浦は、ヒットと四球で二死一、二塁のチャンスを作るが1本が出ない。
2点差で迎える9回表、土浦日大の猛追が止まらない。先頭の2番・三村がショートエラーで出塁すると、3番・関根一沙のライト線ツーベースで無死一、二塁。4番・井上はセカンドフライに倒れ一死二、三塁から、5番・小菅康太(2年)の振り逃げで1点を返す。さらに一死一、三塁とし、6番・小澤のライト前ヒットで同点。一死一、三塁から7番・森本のセンター前ヒットで遂に試合をひっくり返す。霞ヶ浦はここで齋藤をマウンドへ。なおも一死一、二塁とチャンスは続くが、8番・星野は三振ゲッツーに倒れ勝ち越しは1点に終わる。
9回裏、最大5点あったリードをひっくり返された霞ヶ浦は意地の反撃を見せる。先頭の3番・丸山がレフト前ヒットで出塁し、死球と送りバント、さらに四球で一死満塁から、ショートゴロで同点に追い付く。
試合はそのまま
9対9で延長戦に突入する。
10回表、霞ヶ浦は一死とし、遠藤がマウンドへ。土浦日大は二死から2番・三村がライト前ヒットで出塁し、四球で二死一、二塁とする。霞ヶ浦はここで齋藤をマウンドに送りピンチを脱する。
11回表、土浦日大は内野安打と四球で二死一、二塁のチャンスを迎える。霞ヶ浦はここで遠藤をマウンドに送りピンチを脱する。
12回裏、霞ヶ浦は二死から四球と9番・森田のレフト前ヒットで二死一、二塁のチャンスを迎えるが、1番・小儀の右中間へのヒット性の当たりはセンター森本のダイビングキャッチに阻まれる。
13回表、土浦日大は一死から7番・森本が内野安打で出塁し、盗塁で一死二塁のチャンスを作るが、後続は連続三振に倒れる。
13回裏、霞ヶ浦は2つの四球で二死一、二塁のチャンスを作るが、6番・齋藤は空振り三振に倒れる。
14回表、土浦日大は2本のヒットで一死一、二塁のチャンスを作るが、4番・井上はセカンドゴロゲッツーに倒れる。
引き分け再試合が脳裏に浮かび始めた15回表、遂に均衡が破れる。
二死から7番・森本がこの試合6本目のヒットとなるライト前で出塁すると、8番・星野が左中間ツーベースを放って勝ち越しに成功する。
15回裏、霞ヶ浦は一死から2番・益子が四球でつなぐが、3番・丸山はショートゴロゲッツーに倒れ試合終了となる。
土浦日大が5時間に及んだ延長15回の死闘を10対9で制し、31年ぶりの栄冠に輝いた。
土浦日大はこれまでの戦いぶりから打線が活発だとは認識していたが、プロ注目右腕・遠藤淳志とチェンジアップを駆使する左腕・齋藤康徳の盤石の投手陣をここまで打ち崩すとは、試合前に誰が想像ができただろう。土浦日大打線は15回で22安打を放ち第2シードの強豪・霞ヶ浦に打ち勝ったのだ。
試合の序盤には土浦日大がエラーから失点し、5回には5点差まで広がって流れは完全に霞ヶ浦にあった。ところが、霞ヶ浦が決定的なチャンスで2度とりこぼし、終盤は霞ヶ浦ペースとはいかなくなった。
土浦日大は7回から一気に試合を支配し、9回には最大5点差あった試合をひっくり返した。この大逆転劇にはトリハダと震えが止まらなかった。
茨城代表・土浦日大には茨城大会での勢いをそのままに甲子園でも躍動してもらいたい。
(文=伊達 康)
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