霞ヶ浦vs下妻一
第2シード霞ヶ浦がサヨナラ勝利で準決勝へ!下妻一エース・谷口直哉は151球の粘投も牽制悪送球に泣く
霞ヶ浦先発の・遠藤 淳志は最速143キロをマークしたプロ注目の長身右腕だ。一方の下妻一・谷口 直哉も180センチを超える右の本格派で最速135キロの好投手だ。
1回裏、霞ヶ浦は連続四球で一死一,二塁から4番・木村 翔大のライト前ヒットで1点を先制する。さらに一死二,三塁とし,5番・益子 侑也のスクイズで2点目を奪う。
3回表,下妻一が反撃に出る。先頭の8番・柴 秀平が死球からワイルドピッチ,送って一死三塁のチャンスを作ると,1番・高橋 良介(2年、オール茨城)のレフト前ヒットで1点を返す。さらにパスボールと送りバントで二死三塁までチャンスを広げるが,3番・海老澤 樹はライトライナーで追加点は奪えない。
5回表,下妻一は四球とパスボール,さらに1番・高橋のサード強襲ヒットで一死二,三塁から,ボーク(プレートを外さずに三塁に偽投)で同点に追いつく。なおも一死三塁とチャンスは続くが,内野ゴロ2つで勝ち越し点は奪えない。
5回裏,霞ヶ浦は一死から1番・小礒 純也(2年)のツーベースと内野ゴロで二死三塁のチャンスを作るが,3番・丸山 怜央也はセンターフライに倒れる。
7回裏,霞ヶ浦はヒットと四球で二死一,二塁のチャンスを作るが,3番・丸山は見逃し三振に倒れる。
8回裏,霞ヶ浦は先頭の4番・木村がサード強襲のツーベースで出塁し,内野ゴロで一死三塁の絶好機を作るが,内野ゴロとセンターフライで1点が奪えない。
下妻一は8回、9回といずれも一死からランナーを出すが,盗塁失敗でチャンスを作れない。
9回裏,霞ヶ浦が膠着状態を打破する。一死からエラー(イレギュラーバウンド)で出塁すると,牽制悪送球で一気に三塁まで到達する。下妻一はここで満塁策を選択し,連続四球で一死満塁とする。ここで迎える3番・丸山がセンター前に運んで三塁ランナーが生還。第2シードの霞ヶ浦が9回サヨナラで下妻一を下した。
霞ヶ浦はエース右腕・遠藤 淳志が7安打と3個の四死球を与えながらも今大会初めて9回を完投した。6回以降は下妻一打線を封じ、サヨナラ勝利につながった。打線は縦系の変化球を上手く操る谷口の前に、前戦のような猛打爆発とはいかなかった。
下妻一のエース右腕・谷口 直哉(3年、オール県南)は180センチの長身から最速135キロの力のあるストレートと120キロ台の縦のスライダー、110キロ台のカットボールを駆使し、ローボール勝負で霞ヶ浦打線に的を絞らせなかった。初回以降は粘りの投球で抑えていただけに,9回の牽制悪送球が悔やまれる。
結果的に1点差ゲームとなり、5回表の一死三塁が勝敗の分かれ目となった。打線は各打者のスイングが鋭く、遠藤の140キロを超えるストレートに全く振りまけていなかった。
(文=伊達 康)
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