鹿児島vs鹿屋中央
福山主将が決勝打・鹿児島
流行の言葉で言うのなら今大会の鹿児島は「神ってる」とでも表現したらいいだろうか。4回戦・鶴丸は3点差、準々決勝・鹿児島実は4点差をひっくり返した勢いそのままに、準決勝・鹿屋中央は5点差をひっくり返し、劇的なサヨナラ勝ちで初戦から5戦連続1点差勝利で25年ぶりとなる決勝に勝ち進んだ。
4回、5回と鹿児島は途中出場の6番・鷲見優志郎(2年)が3打点を叩き出すなどで1点差に詰め寄る。
7回裏は無死満塁から押し出し、8番・松永遥平(2年)のセンターオーバー二塁打で3点を挙げ逆転に成功した。
なおも無死満塁と畳みかけるチャンスだったが、9番・中村春陽(2年)はスクイズを仕掛けるも本塁アウト。ベースが空いたスキに二走も本塁を狙ったがタッチアウト。二塁を狙った打者走者も中途半端な走塁で二塁タッチアウト。珍しいトリプルプレーで鹿児島のチャンスが途切れた。
8回、鹿屋中央は5安打を集中し、3番・篠田大聖(2年)のレフトオーバー二塁打などで4点を挙げ、9対7と再び2点差とした。
8回裏に押し出しで1点差とした鹿児島は9回裏、一死三塁で1番・上之薗太雅(2年)が浅いレフトフライ。三走・松永が果敢にタッチアップから生還し、土壇場で試合を振り出しに戻す。
延長10回表、鹿屋中央は一死三塁でスクイズを仕掛けるもバッテリーが外して失敗。12回表は一死一二塁の送りバントを捕手・上之薗が果敢に三塁送球でアウト、一塁転送の併殺で鹿児島がピンチをしのぐ。
終盤になってようやく守備でリズムを作った鹿児島が延長12回、4番・福山樹主将(3年)のセンター前タイムリーで3時間34分の死闘に決着をつけた。
(文=政 純一郎)
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