試合レポート

高千穂vs佐土原

2017.07.15

ラストサマーに懸ける強い思い。高千穂が逆転勝利!

 昨秋大会で準優勝、今大会は第7シードの高千穂が、初戦で姿を消してしまうのか!?
試合巧者の佐土原が、握った主導権を手放さずにいた。

 佐土原は、右腕エース・塩見 章斗(3年)が、序盤をパーフェクトに抑える。ファーストストライクから積極的に打ってくる高千穂の打者を相手に、塩見の冷静かつリズムの良いピッチングが冴えわたった。塩見は、5回に内野ゴロ間で1点を与えたものの、その裏、先頭打者で打席に入ると、快音響かせ強烈な打球を左中間に放って三塁へ!9番・岩見 圭二郎(3年)の右前適時打で同点のホームを踏んだ。
さらに6回、5番・瀬川 竜也(3年)が左前安打で出塁すると、二死二塁となって7番・塩見が右前に落ちる適時打を放って勝ち越した。自身のバットで勝ち越した塩見は、より躍動感のあるピッチングにギアチェンジ。スコアボードに0を刻んだ。

 そして、高千穂1対2佐土原のまま9回を迎えた。
高千穂の先頭打者は、6回からマウンドを任された2番・馬原 希琉(3年、背番号1)。
馬原が、右前に意地の一打を放って出塁する!続く3番・佐藤 智哉(3年)が右前安打で繋ぐ。無死一、二塁。打席に入った主将で4番キャッチャーの岡﨑 莉久(3年)が初球を弾き返した!レフトフェンス直撃の適時二塁打!
なおも、無死二、三塁のチャンスで5番・川﨑 真翔(2年)が中前へ2点適時打を放った!高千穂4対2佐土原
土壇場で、神がかり的な4連打を放った高千穂が2点をリードして、佐土原の塩見をマウンドから降ろした。

 これ以上の点を失いたくない佐土原であったが、勢いづいた高千穂は、さらに貪欲な攻撃をみせる。
7番・平川 聖也(2年)が中前安打で出塁して一死二、三塁となってから、先発マウンドに立った(6回から一塁手)8番・工藤 泰治(2年)がライトフェンス直撃の2点適時三塁打を放った!
5回に献上した自責点を倍返しとする工藤の一打が、ダメ押しと言っても過言ではなかったが、打者一巡して2度目の打席に立った2番・馬原が、7点目となる中前適時打を放って佐土原を突き放した。

 最終回まで苦しい展開の高千穂であったが、攻撃時だけではなく、守備時にもベンチからは元気な声が出続けていた。闘志を面に出して戦い続けた姿勢こそ、奇跡的な逆転を起こすことができるチーム、夏の勝利を掴むチームの姿そのものだった。対照的に、1点をリードした佐土原は、終盤、守りに入った印象が否めなかった。

 今春の選抜出場校選考日。21世紀枠の九州地区推薦校に選ばれていた高千穂に吉報は届かなかった。
(補欠校になったが出場ならず)
気持ちを整理して、夏に実力で甲子園出場を勝ちとると誓った高千穂ナイン!
今まさに、その思いをぶつける夏を戦っている。
昨秋の九州大会出場時と同様、再び、地域を沸せる「おらが町のヒーロー」になることができるか?
もちろん、この夏に目指すところは聖地・甲子園球場だ。

 高千穂は、3回戦で高鍋vs福島の勝者と対する。

(文=三角 竜之

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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