試合レポート

早稲田実業vs都立片倉

2016.10.23

12得点を挙げた早稲田実業が8強進出! 清宮は1安打1打点

早稲田実業vs都立片倉 | 高校野球ドットコム

適時二塁打を放つ横山選手

 公式戦で3試合連続4本塁打の清宮 幸太郎主将率いる早稲田実業。3回戦は都立高校ながらベスト16まで勝ち上がってきた都立片倉と対戦した。

 都立片倉の先発は左サイドスローの軟投派・森田 大翔。初回は1番・福本 翔をライトフライに打ち取ると、2番・横山 優斗はフルカウントから高めの真っ直ぐで空振り三振。さらに、3番・清宮には遅いボールを有効に使い、最後はスライダーで空振り三振と素晴らしい立ち上がりを見せた。しかし、2回裏、5番・小西 優喜の打ち取った当たりが遊撃手の後方にポトリと落ち初安打を許すと、6番・雪山には四球を与えて一死一二塁。このピンチで7番・橘内 俊治には左中間を破られ二者が生還。続く8番・中川にもレフト前にタイムリーを浴び、あっという間に3点を奪われてしまった。森田はここで降板し、マウンドを右オーバースローのエース・高橋 歩武に譲るが、早稲田実業の勢いを止めることができない。9番・野田の中前打と四球で満塁となり、横山には左中間へ走者一掃のタイムリーツーベースを打たれて、さらに3失点。なおも一死二塁で清宮に打席が回ってきたところで、都立片倉は森田を再びマウンドへ戻すが、その初球で死球を与えてしまいピンチを広げると4番・野村 大樹には三遊間を破られ、この回、一挙に7点を失ってしまった。

 3回裏も早稲田実業はこの回から登板した左腕・野田を攻め、二死から2つの四球と失策で満塁。ここで打席に立ったのは清宮。スタンドからは豪快な一打を期待する声が漏れたが、ここは一球もストライクが来ずにストレートの四球。しかし、これで押し出しとなり1点を追加した。

 早稲田実業の先発は背番号18の中川。1回表は一死から2番・藤井 友輝に四球を許すが、続く3番・中野の初球に一塁走者が盗塁失敗。2回は一死から失策の走者を出すが、6番・橋本が送りバントを打ち上げてしまうなど、序盤3回までは相手打線の拙攻にも助けられ無失点に抑えていた。

しかし、都立片倉は4回表、この回先頭の中野がセカンド内野安打で出塁。その後、二死を取られるが中野が盗塁を決め、この試合初めてスコアリングポジションにランナーを送ると橋本のセンター前ヒットで1点を返した。


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二番手・高橋投手(都立片倉)

 5回表も早稲田実業の二番手・服部 雅生に対し、二死から1番・荒井 大輝が内野安打。すぐさま二塁へ盗塁を試みると、捕手の送球がセンターへ抜け一気に三塁へ。ここで藤井はライトへタイムリーヒットを放ち、2対8と追い上げた。

 だが、5回裏、この回から高橋が再びマウンドに上がったが、ヒットと四球で満塁とされると、雪山の放った打球は左中間へ。左翼手がグラブを伸ばすがわずかに届かず走者一掃の適時三塁打。追い詰められた都立片倉は高橋を諦め、右サイドハンドの山岸をマウンドへ送るが、橘内には死球で一死一三塁。そして、8番に入っていたピッチャー・服部は内野の後方へフライを打ち上げる。この打球は遊撃手の藤井がよく追いつきツーアウトとしたが、この時、三塁走者はハーフウェイで止まっていたものの本塁へ送球。このボールをキャッチャーが捕球ミスし、三塁走者がホームイン。最後はあっけない幕切れで、早稲田実業が12対2の5回コールドで都立片倉を退けた。

 都立片倉は初回、2回と走者を出したもののエンドランが決まらずにチャンスを潰していたが、4回、5回は2イニング連続で二死から盗塁で好機を作り、得点に繋げてみせた。一方、守りでも、清宮に対して左投手を当て、緩いボール中心で投げさせるなど対策を施してきた様子がうかがえた。また、5人の投手を登板させ、さらに森田と高橋は2度マウンドに上げるなど、必死の継投で最後までくらいつく姿勢を見せるなど、コールドで敗れはしたものの、その心意気は立派だった。

 早稲田実業は、ここぞという場面できっちりとタイムリーが出て快勝。和泉 実監督は「1、2回戦にくらべて、きちんと打って得点ができているので、その点ではチームの成長を感じます」と、手応えを口にした。また、この試合は不発に終わった清宮だが、満塁から四球を選んだ場面に対して「チームとして選球眼を良くしていこうというテーマを掲げて戦っているので、その姿勢を見せることができてよかったです」と振り返った。次戦の対戦相手は、選抜出場に向けて大きな難関となる関東一。ファンにとっても見逃せない一戦になりそうだ。

(文・写真=大平明

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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