試合レポート

日南学園vs宮崎商

2016.07.27

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日南学園が横綱相撲でV!

↓両チームの戦績↓
【第1シード・日南学園
2回戦:3対0延岡商
3回戦:13対2都城東
準々決勝:19対2佐土原(5回コールド)
準決勝:9対0宮崎工(7回コールド)

宮崎商
1回戦:14対2都城泉ヶ丘(6回コールド)
2回戦:6対3延岡星雲
3回戦:2対0都城[第3シード]
準々決勝:11対4宮崎日大(8回コールド)
準決勝:6対4宮崎大宮

 最後の夏に、突如、頭角を現した宮崎商が、勢いそのままに第1シードまでも撃破するか?

 一方、堂々たる勝ちあがりをみせて、もはや敵なし状態の日南学園は、決勝でも確実に勝てるか?

 宮崎商は8年ぶり5回目、日南学園は2年ぶり8回目となる夏の甲子園出場をかけて、快晴の[stadium]KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎[/stadium]で始まった決勝戦は、早速、日南学園が先制攻撃をみせた!

 1回表二死二塁から4番・益田が中前適時打を放ち1点目!

 3回表一死三塁から3番・前田が左犠飛を放ち2点目!

 すると、全校生徒の素晴らしい応援から背中を押される宮崎商は、3回裏2番・山﨑が内野安打で出塁すると、3番・黒木琉の中前安打で無死二三塁とする。

 1・2回ともに、二死から得点圏に走者を背負うも、粘りのピッチングで無失点とした日南学園エース・森山が、ついに得点を許すか?一打同点のピンチ!

 ここで、日南学園ショート石嶋が、さっと二塁へ入る。同時に、森山が絶妙のタイミングで反転して二塁へ牽制!タッチアウト。完成されたサインプレーで二走を刺した。

 その後、内野ゴロ間に1点を返した宮崎商であったが、どちらかと言うと、この場面で最少失点に抑えた日南学園のほうが、良いムードを保てた。

 日南学園の160cm左腕エース・森山(背番号1)と、背番号3を背負うも今大会前にエースとなった宮崎商の180cm右腕・黒木一。

 両投手が譲らず、がっぷりよつに組む投手戦を繰りひろげる。

 5回終わって、日南学園2対1宮崎商

 グラウンド整備を挟んで迎えた6回表。

 日南学園は、5番・濵本が内野敵失で出塁すると、6番・萩原は送りバントに成功。一死二塁から7番・石嶋が右前適時打を放って3点目をあげる!8番・石田が二塁手の頭上を抜くライナー性の中前安打で続くと、9番・森山は送りバントを決める。二死二三塁となって、1番・長原の打席で、狙っていたかのように相手バッテリーミス(ワイルドピッチ)から4点目をあげた!

 そして、長原がしぶとく中前に落ちる適時打を放って5点目をあげた。


 序盤は、足を絡めた強攻をみせた日南学園だったが、6回は、2度の犠牲バントで走者を進めて貴重な3点をもぎ取った。日南学園5対1宮崎商

 宮崎商打線は、日南学園エース・森山から7回までに9安打を放つなど、持ち味を発揮してチャンスメイクまではできていたが、直球120キロ前半ながらも森山が投げ込む低めぎりぎりのアウトローとクロスファイヤーは天下一品!打者が全く手(バット)を出せなかった。

 森山は、8・9回をパーフェクトに抑え、最終打者をショートゴロに打ちとると、両手をあげてガッツポーズ!

 マウンド上に日南学園ナインの笑顔の花が咲いた。

 今大会、前評判以上に圧倒的な強さを発揮した第1シード・日南学園

 2季連続の九州大会と今春選抜甲子園大会を経験しただけに、場数を踏んだ自信が全選手のプレーに表れて、堂々たるものだった。この内野天然芝の[stadium]KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎[/stadium]で行われる宮崎大会用の戦い方をするのではなく、すでに、甲子園球場で全国レベルの相手と戦っているかのような野球に徹していたところも、日南学園が優勝できた要因である。

 また、県内1位の部員数を誇り、ブラスバンド、チアガール、生徒、学校関係者、保護者、OBらを含む日南学園の応援スタンドは、グラウンドと一体となって盛り上がった。

 「忘れられない夏のはじまり(今宮崎大会のキャッチフレーズ)」は、日南学園の優勝によって幕を下ろした。

 しかし、2013年夏の甲子園(第95回)で、延岡学園が宮崎県勢悲願の初準優勝を成し遂げた際に、準決勝で花巻東を下して以来、宮崎県勢は春夏通じて甲子園で1勝もあげていない。

 言い換えれば、宮崎県民の「忘れられない夏」は、2013年夏のままである。

 2016年夏、日南学園が「忘れられない夏」を塗り替えてくれることだと期待したい。

(文=三角 竜之

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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