試合レポート

宮崎工vs鵬翔

2016.07.25

宮崎工・桝田が鵬翔をねじ伏せる!

 【第5シード・宮崎工】2回戦:5対4(延長10回サヨナラ)、3回戦:3対2都城西(延長13回サヨナラ)

 【第4シード・鵬翔】2回戦:14対3都城農(8回コールド)、3回戦:12対4宮崎福島

ベスト4の残り1枠をかけて、順当に駒を進めてきたシード校同士となる準々決勝は、第1試合が降雨中断によって長引いた影響で、予定よりも約2時間半遅れで試合が始まった。

鵬翔は、先発マウンドにあがったエース・田中が最高の立ち上がりをみせて、宮崎工を三者凡退。
すると1回裏、特攻隊長の1番キャプテン・島袋が、快音を響かせて右中間越えの二塁打で出塁する!続く2番・境木が犠打で進め、3番・丸山がしっかりと右犠飛を放って三走・島袋を生還させた!
試合開始から10分。鵬翔が幸先よく先制した。

しかし、3回表、宮崎工は先頭の7番・小倉が、チーム初ヒットを放つと、二死二塁になって1番・境田が左前適時打を放って同点に追いつく!このあと、試合がどう動くか?

一時は、太陽がのぞいた[stadium]サンマリンスタジアム[/stadium]の上空だったが、雨が降ったり止んだりと、なんとも厄介な天候が続くまま、中盤に入った。

5回表、宮崎工の攻撃。

7番・小倉が右安打、8番・桝田が左安打で一死一二塁になると、9番・満木の打席で二走・小倉が敵捕手からの牽制をうけるも、三塁へ向かう!これがミス(遊撃手から三塁への悪送球)を誘って、小倉が勝ち越しのホームイン!なおも、二死二三塁から2番・押川が左越え2点適時二塁打!宮崎工が4対1とリードした。

そのまま終盤へ。

7回表、宮崎工の攻撃。9番・満木が左前安打、1番・境田が右越え二塁打で出塁して、二死二三塁から3番・﨑山が左前2点適時打!

宮崎工6対1鵬翔のまま最終回へ。同時に、17時にして上空は暗くなり、降りしきる雨が一段と激しくなった。今大会2試合目のナイターゲームとなる。


すでに、グラウンドの土部分は全面水たまりで泥沼。照明が反射して輝きを放つ。内外野天然芝部分は、見た目は綺麗だが大量の雨水を含み、選手はまともに走れる状態ではない。

試合は成立して、すぐにでも降雨中断・コールドとなっても不思議ではない。守備につく鵬翔ナインは、なんとか9回裏の攻撃で逆転したい!

リードしている宮崎工も、9回裏まで戦って勝ちたい!最後まで試合をしたい。そんな両チームの思い、球場全体の雰囲気を酌んで、試合は強行される。

こんななか、宮崎工は、追い打ちをかけるような猛攻をみせ、敵失と四球からもらったチャンスに4番・﨑村が右前適時打!さらに、7番・小倉の左中間越え2点適時二塁打で、宮崎工9対1鵬翔

そして、9回裏。鵬翔は内野ゴロ間に1点をもぎとるも、三振でゲームセット。マウンド上で雄叫びをあげた宮崎工・桝田は、2回戦(延長10回)で2番手としてマウンドにあがり大逆転勝利を呼ぶ100球!3回戦では、延長13回の死闘を199球完投で勝ちとった!

そして、今日は、今大会400球を超えるなか、強力打線相手に被安打6、四球1、被適時打0!悪天候にも崩れることなく、マウンドに立ち続けて神技を披露したエースにアッパレだ!宮崎工は、いよいよ、準決勝で第1シード・日南学園と激突する。

なお、新人戦と県選手権で準優勝し、この夏こそ優勝!甲子園出場!それしか頭になかっただけに、敗れた鵬翔ナインは、土砂降りの雨のなかで泣き崩れ、大量の涙をながした。

キャプテンで先頭打者としてチームを牽引した島袋は、県内屈指の1番打者で今日も猛打賞の活躍だった。素晴らしい先輩達と一緒に、この夏を経験した1・2年生には有望な選手も多く、新チームの新人戦から注目が集まる。私立・鵬翔が、宮崎県の勢力図に変化をもたらし、もう一山、二山を越えられるチームになることを期待している。

(文=三角 竜之

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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