宮崎商vs宮崎日大
昨夏Vの宮崎日大が敗退!宮崎商・宮崎工が4強へ。
【宮崎商】1回戦:14対2都城泉ヶ丘(6回コールド)、2回戦:6対3延岡星雲、3回戦:2対0都城(第3シード)
【宮崎日大】1回戦:9対1宮崎学園、2回戦:7対0門川(7回コールド)、3回戦:4対3宮崎第一
ノーシードから最激戦Cパートを勝ち進んできたチーム同士の準々決勝。
宮崎日大は1回と3回、宮崎商は毎回得点圏に走者をおくも、互いに譲らず序盤終わって0対0。
4回表二死走者なしから、宮崎日大6番・平原(2年)が左前安打で出塁すると二盗に成功!続く7番・黒田(1年)が強烈なライナーを放つ!ぐんぐんのびる打球は、中堅手の頭を越えて適時三塁打に!宮崎日大が先制した。
その裏、宮崎商は流れをひっくり返す。
四死球と敵失からチャンスをひろげると、一死満塁から1番キャプテン・山村が中前へ抜ける強烈な2点適時打を放って逆転!続く2番・山﨑がジャストミートした打球を右中間へ運ぶ2点適時二塁打!二走・永野に続いて、一走・山村が生還した。さらに、二死一二塁から5番・川門が右前適時二塁打!宮崎商が4点のリード。
早めに追いつきたい宮崎日大は、直後の5回表に4番・溝上の右中間への適時打で1点を返す。5回終わって、宮崎商5対2宮崎日大。この試合が、このまま終わるはずがない。終盤までもつれるか?
しかし、6回表、宮崎日大の攻撃。
先頭打者が2ボールとなったところで、試合開始前から降り始めた雨が、途中は止む間もあったが、ついに本降りになった。一時中断。それから待ちに待って、約2時間後に試合は再開された。
この中断が、試合の流れを変える可能性は大いにあった。
だが、宮崎商は、6回裏一死一塁から4番ピッチャー・黒木一(背番号3)が、宮崎日大4番手ピッチャー(左腕)の投じたスローカーブを打ち砕く!黒木一の打球は、角度良く、高い放物線を描いてライトスタンドへ!
2ランホームラン!長い中断によって静まり返っていたサンマリンスタジアム。黒木一の目が覚めるような1発で宮商スタンドが一気に沸いた。
点が入ると、最少得点で終わらないのが宮崎商。ここでも、たたみかける。同回一死二三塁から7番・石川が中前適時打!2点を追加して、宮崎商9対2宮崎日大。
7回表二死走者なし。あとアウト1つで、宮崎商が7回コールドを成立させる。その瞬間を待つ宮崎商サイド。喜ぶ準備はできていた。
ところが、2番(代打)・佐藤が中前安打で出塁すると、打席に入るのは3番・木原。
3回戦までは、主軸としてチームを牽引したが、今日はまだヒットがない。昨年覇者の宮崎日大、万事休すか?
だが、一瞬で宮崎日大サイドが沸いた!木原の渾身の一振りは、打った瞬間に入ったと分かるライナー性の左中間越え2ランホームラン!宮崎商9対4宮崎日大。
打たれたら打ち返す。6回に2ランホームランを放った宮崎商4番ピッチャー・黒木一から、コールド負けを回避する木原の1発に、鳥肌が立った。
宮崎日大が土壇場でミラクルを起こすか?そのような期待も脳裏をよぎったが、宮崎商の強さは本物だった!
8回裏、8番・蛯原、9番(代打)・迫間の連続適時打で、あっさりと7点差をつけて8回コールドゲーム。
長時間の降雨中断にも左右されることのない強靭なメンタルで、宮崎日大の夢を破った宮崎商がベスト4進出!
勢いそのままに、今年は宮商の夏とすることができるか?
甲子園まで、あと2つ!準決勝では、宮崎大宮と激突する。
(文=三角 竜之)
注目記事
・第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ