宮崎大宮vs聖心ウルスラ
宮崎大宮、しぶとく粘ってシード撃破！
初戦（2回戦）で延岡学園【宮崎大宮】1回戦：7対4宮崎北、2回戦：13対3宮崎農(6回コールド)
【第7シード・【宮崎大宮】1回戦：7対4宮崎北、2回戦：13対3宮崎農(6回コールド)
【第7シード・聖心ウルスラ】2回戦：3対1都城高専
逆転勝利にコールド勝ちと、内容良く駒を進めてきた宮崎大宮と、第7シードながら初戦の都城高専相手に苦戦した聖心ウルスラが3回戦で激突した。
両3年生エースが、ともに序盤のピンチにも動じず3回終わって0対0。
4回裏、聖心ウルスラは内野ゴロ間に先制すると、5回に2番・渡辺の左越え2点適時二塁打で3対0とする。
一方、2・4・6回にチャンスをつくるも封じられていた宮崎大宮は、7回に3番・寺原の中前2点適時打で反撃開始！寺原が二盗に成功すると、ワイルドピッチから三塁へ。ここで、4番・日高のサードゴロ間に寺原が同点のホームを踏んだ！
しかし、聖心ウルスラは、直後の7回裏。
3番キャプテン・是則が二死一三塁から、三遊間を抜く左前適時打を弾き返し、1点を勝ち越す！
リードを許した宮崎大宮だったが、最後までしぶとく自分たちの野球を貫く。
8回表。珍しく、ここまで3打席連続死球をうけていた宮崎大宮6番・清水が、先頭打者として右前安打で出塁する。送りバントを一切せずに、徹底されたバッティング技術で打線をつなぐ宮崎大宮は、続く、鮫島が内野ゴロで清水を進める。そして、打席に入った代打・神田が強烈なセカンドゴロを打つ！二塁手が捕球できず、二走・清水が生還！宮崎大宮が、再び、同点に追いついた！
なおも、二死一二塁から2番・黒木の右前安打を放つ！二走・阿万は三塁でストップするも、一走・川末が二三塁間に挟まれる。しかし、川末は、三塁上へ生きることになり、押しだされるかたちで阿万がホームへ走る！これが、敵失(ホームへの暴投)を誘って、決勝点となる5点目をあげた宮崎大宮が、第7シード・聖心ウルスラから大金星をあげた。
宮崎大宮は、他運動部と共有する限られたグラウンドのなかで、少ない練習時間の約9割をバッティング練習に費やす。その分、投手が踏ん張り、堅い守りができるかが勝敗のカギを握るが、大富 省三監督によるノーサインノーバント野球でシード校までを打ち砕くのだから驚異である。
宮崎大宮のスタイルを初めて知った時は、度肝を抜かされて、その高校野球観と戦術を理解するまでに時間を要した。しかし、今チームも、全選手に優れた集中力、勝負強さ、考える力、バットコントロール、状況判断が備わっている。バントをしなくても進塁打とする右打ち、球種とコースに応じて、インサイドアウトを基本とした理想的なインパクトのバット角度、外野まで運ぶ技術、どんな状況においても一振りで結果を出す、宮崎大宮の打線には見応えがある。
試合中もバットを手にベンチから見守る大富監督。打ち勝つ大富野球が今年はどこまで通用するか。
準々決勝では、第2シード・富島と激突する！
（文＝三角 竜之）
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