船橋北vs実籾
昨秋以来の再戦。船橋北コールド勝ちも、実籾がどう乗り越えるか?
好投を見せた塩澤投手(船橋北)
4月8日から千葉県一次予選が開幕。県大会をかけて、1回戦43試合が行われた。[stadium]習志野市秋津球場[/stadium]にて行われた船橋北vs実籾の一戦は、昨年の秋季大会の1次予選の2回戦でも当たっている。前回は船橋北が制しているが、今回も船橋北が試合を優位に進める展開となった。
まず1回表、船橋北は4番・加藤が左前適時打を放ち先制。その裏には実籾高校3番・鈴木泰が負けじと右越の三塁打を放つが、船橋北・塩澤投手の独特なピッチングフォームの前にあと1本が出ない。塩澤投手は右投げで、特徴的なのが、足を上げた際に軸である右足のかかとを地面から離し飛び跳ねるように背伸びをするフォームでタイミングを狂わせるのが長所だ。
船橋北は立ち上がりをしっかりと切り抜けたことで、3回表には、1番・吉川が中前安打で出塁すると2番・刈屋が内野安打で続き、3番・乙丸の左越二塁打により2点を追加し3対0。
4回表にはバント攻撃を駆使すると実籾のエラーも重なり一挙に5点を追加。5回表は8番・越智が中越三塁打を放ち2点を追加し、10対0で5回コールドにて試合が終了。ちょうど1時間程の試合であった。船橋北は流れをしっかりと掴んだ試合。実籾は再び敗戦に悔しさが残った。
試合後、実籾高校の小川監督は「試合を通して相手に打たれているだけではなく良い点もあった。しかし、ボール処理などのミスが目立ち自分で自分達の首を絞めた結果である」と述べると、少人数で戦う厳しさを語ってくれた。
今大会を3年生11人、2年生4人で臨んだ実籾高校。人数が少ないとチーム内にケガ人が出た際に困るため万が一に備え、必ず1人につき2つのポジションを出来るよう練習しカバーし合えるようにしている。
他の高校のようにランナーをつけて練習が出来ないため、試合を想定しての練習がどうしても難しいとのことだがボールの捕球位置を言葉にして話し合うなどして補っているとのこと。
私生活では『野球ノート』の中でなかなか部活中に聞きにくいことや仲間内の相談などを小川監督とやりとりするなど、コミュニケーションを大事にする姿勢が伝わった。
試合後、長時間にわたり球場外にてミーティングを行っていた実籾の選手たち。
自分たちで良かった点、悪かった点を挙げ夏大会開幕までの残り3ヶ月の間に何ができるのかを自主的に話し合っていた姿がとても印象に残った。人数が少ないからこそ、一人一人が活躍出来る機会も多い。この敗戦を乗り越え、夏までにいかに成長を遂げるのか楽しみである。
(取材・写真=吉田優織)
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