北部農林vs美里
やってきたことを出し切った北部農が3年ぶりの初戦突破!
適時打を放つ岸本将揮(北部農林)
「試合で出たミスに目を向けるよりも、やってきたことを出せたことの方に目を向けたい。選手たちもやれば出来るんだということに気付くでしょう」
2001年の選抜高校野球大会。21世紀枠で出場した宜野座を全国ベスト4へと導いた名将奥濱監督は、目をつむりつつこれまで北部農ナインとやってきたことに思いを寄せるかのように、試合後のインタビューに応えた。
北部農は1回、先頭の比嘉十郷が右中間を深々と破る三塁打で出塁すると、3番岸本将揮が左中間へのタイムリー二塁打で先制する。
逆転されたものの4回には一死満塁から宮里魁の犠飛で1点を返すと6回、一死から6、7、8番の連続単打で満塁のチャンスを作りイケイケのムードに。ここで先ほどタイムリーを放っている宮里が冷静に見極めて押し出しの四球を選びまず1点。続く饒平名裕人が二遊間をしぶとく破るタイムリーで二者を迎え入れると、トップの比嘉にも2点タイムリーが飛び出して一挙5点を挙げた。
さらに北部農は8回。2本のヒットと四球で満塁として、岸本将がライトの頭上を襲う走者一掃のタイムリー三塁打を放ち10点目。続く又吉恵斗もセンター前へと運び大量11点。
「全員で11名。あれもこれもやれない中で、打ち勝とうじゃないかと練習のほとんどをバッティングに費やした」(奥濱監督)成果が出た北部農が、粘る美里を振り切り3年ぶりの初戦突破を果たした。
敗れた美里だが、2回には5、6番の連続ヒットで一、三塁とチャンスを作り逆転に成功し、7回にも二死二塁から1、2番の連続ヒットなどで2点を返すなど粘り強くゲームを作っていた。だがそれ以上に、守りにつく際の全ナインの全力疾走や、バッテリーのテンポの良さは見ていて非常に好感が持てた。
11対6という一見大味的なスコアだが試合時間はなんと2時間と2分。こちらも全員で14名しかいないのだがスピーディーな、これぞ高校野球!と感じることが出来る素晴らしいチームであった。
(文=當山 雅通)
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